公益財団法人教育支援グローバル基金|ビヨンドトゥモロー

TOMODACHIサマー2012 ビヨンドトゥモロー 米国プログラム ~復興とまちづくり~

概要

 ビヨンドトゥモローは、TOMODACHIイニシアチブとのパートナーシップの下、「TOMODACHIサマー2012 ビヨンドトゥモロー 米国プログラム~復興とまちづくり~」を2012年夏に開催致しました。米国各地(ニューオーリンズ、ニューヨーク、ボストン、ワシントンD.C.)を巡る2週間のプログラムにおいて、東北出身の学生たちは、米国の災害後の復興やまちづくりの経験を学ぶだけでなく、東北からの大使として米国の人々に東日本大震災での経験を伝える役目を果たしました。リーダーシップを発揮した経験を持ち、東北の未来のリーダーとなる熱意を持った10名の学生が、厳しい選考を通過し、本プログラムに参加しました。

目的

  • 2週間に渡る米国滞在を通し、2001年9月11日の米国同時多発テロ事件や2005年8月に発生したハリケーンカトリーナ被害からの復興における経験と課題を検証し、東北復興へのヒントを得る。
  • アメリカの人々や文化に触れ、東北の状況について知ってもらうことで東北発の日米リーダーシップ交流のモデルを構築する。

日程・開催地

事前研修 2012年6月29日~7月1日 山梨県富士吉田市
米国プログラム 2012年8月6日~21日 ルイジアナ州ニューオーリンズ(8月7日~10日) 日程
ニューヨーク州ニューヨーク(8月10日~16日) 日程
マサチューセッツ州ボストン(8月16日~19日) 日程
ワシントンDC(8月19日~21日) 日程

参加者

震災当時に岩手・宮城・福島のいずれかに居住しており、2012年3月に高等学校を卒業し新たに大学などに進学した10名。厳正な選考によって選抜されました。

プログラム概要

事前研修

 2泊3日の合宿形式で、米国で何を学びたいか、東北復興のために知りたい復興へのヒントは何かについて議論する事前研修を2012年6月29日~7月1日に開催しました。外部講師を招いて都市計画や復興政策の概論を学び、自らの体験を基に、東北の復興計画における課題を抽出。そして米国の復興モデルから学ぶべき項目を議論し、チーム毎にまとめました。(詳細は、こちらでご覧いただけます)

米国プログラム

本プログラムは、参加学生に次のような機会を提供しました。a) 米国の災害復興の経験を学ぶ、b) 国際的に活躍する日本人リーダーとの交流、c) 東北被災地からの発信、d) 米国の若者との文化交流。包括的な本プログラムを通して、参加学生は東北からの大使としての役割を果たしました。

a) ハリケーンカトリーナや米国同時多発テロからの復興を学ぶ

学生たちは、災害復興で活躍している様々な団体や個人を訪問し、米国の復興の経験をどのように東北の復興に活かすことが出来るか考える機会を得ました。


 まずはあなたがいる地域の文化から始めなさい。 ニューオーリンズでうまく機能したことが、米国国内の他の都市でもうまくいくとは限りません。 Carol Bebelle アッシェ文化芸術センター Co-Founder & Executice Director

 

 人は過去ばかりみてしまう傾向にあるが、私たちは常に前を向き続けなくてはならない。勇気を出す場面は、遅かれ早かれ私たち全てにやってくるのだから。 Joseph W. Pfeifer ニューヨーク消防局Chief

 

 今日私はツアーの中で初めて口にすることができた言葉がありました。それは、”もし9.11の悲劇を経験していなかったら、今日の私はここにいない“ということです。私がこのよう思えるようになるのに、あなたたちよりもはるかに長い時間がかかりました。悲劇があったからこそより強くたくましい人間になれたのならば、もしそう思えるようになったのならば、それはあなたが生きる意味を見つけたということです。 米国同時多発テロ事件で夫を亡くしたガイド

 

 あなたたち、若い世代が東北の未来を作っていかなければならない。そして、復興の最前線に立たなければいけない 神田駿  MIT Japan 3/11 Initiative Director, Department of Architecture

 

b)リーダーとのたちとの対話

学生たちは各界でグローバルに活躍する日本人リーダーと交流しました。これらの機会を通して、参加学生は、将来自分自身が情熱を持つ分野において、どのように社会貢献するかを考えるためのグローバルな視野を得ました。

 もしチャンスがあるのだったら、難しく、将来あなたの視野を広げるような選択肢を選びなさい。50パーセントでも自信があれば、そのチャンスをつかみなさい。そこでどのように社会に貢献できるか見つけることができるかもしれない。特に若い人たちはどんどん海外に出ていきなさい。 櫻井 本篤 ジャパン・ソサエティー 理事長

 


 あなたたち若い世代が日本、そして世界の将来を作るのです。リーダーシップとはあなたの夢を実現させるため、そしてそれを人に広めるためにあるのです。言い換えると、リーダーシップとは自分自身に対してリーダーシップをとるということです。 厚子・東光・フィッシュ Fish Family Foundation Trustee

 

c) 東北から米国への発信 – 生存者の話

 学生たちは様々な場でプレゼンテーションを行いました。自らの被災体験、東北の好きなところ、本プログラムで何を成し遂げたいか、震災後の米国から受けた支援に対する感謝の気持ちなどを英語で発信しました。

 

 March 11th was a cold day. On that winter day, I lost everything – my hometown, my house, and my father I loved so much. However, after the disaster, I joined BEYOND Tomorrow and was blessed with new friends who were also suffering the pain. BEYOND Tomorrow brought us together. The past cannot change the present, but the present can change the future. I want to change sadness into strength.

d) 文化交流―草の根大使として米国の学生と交流

学生たちは、日米のリーダーシップ交流のという文脈で、米国の学生と交流しました。これらの経験は、これからの両国、そして世界を担っていく若いアメリカ学生と日本人のパートナーシップ“TOMODACHI世代”を象徴しています。

 ジャパン・ソサエティーシアタープログラムでの高校生との交流

 ボストン・ボーイズ・アンド・ガールズ・クラブとの文化交流プログラム 米日カウンシルのメンバーとハーレムにてバーベキューディナー
 フレッド・カタヤマ氏によるコロンビア大学キャンパスツアー

閉会式

 閉会式は、米日カウンシルの協力の下、プログラム最終日の8月20日にワシントンDCにおいて行われました。学生たちは、日本政府、アメリカ政府、企業、非営利団体、国際機関などを含む.各界のリーダーたちの前で米国での学びを発表しました。 学生たちによるパワーポイント資料はこちら

プログラム

  •  開会のご挨拶(ニール・ホリコシ Asian & Pacific Islander American Scholarship Fund)
  • 特別ゲストご挨拶(冨田浩司 在米国日本大使館特命全権公使)
  • ビヨンドトゥモロー紹介
  • 学生によるプレゼンテーション 学生代表スピーチ(小川彩加、有本温子) アメリカに何を伝えたいか 米国で何を学び、どう東北復興に活かしたいか

 私が特にこのプログラムに感銘を受ける点は、参加者全員にそれぞれの体験、生の体験を発信することを促し、米国の様々な復興活動をする地域で意見交換をすることで培った知識や経験を、東北のそれぞれの地域で活かそうとしていることです。 冨田浩司 米国特命全権公使

 

 東北の次世代のリーダーになるため、日々将来に向かって突き進んでいくあなたたちのリーダーシップを誇るに思います。あなたたちは我々の誇りです。 ニール・ホリコシ Asian & Pacific Islander American Scholarship Fund, President & Executive Director

 

メディア掲載

TV

フジサンケイ・インターナショナル・コミュニケーションズ(FCI)「モーニングEYE」 2012年8月20日

新聞

  • 「米国で復興を学ぶ」(2012年8月7日 岩手日報)
  • 「テロ遺族と交流」 (2012年8月15日 福島民報)
  • 「亡き両親のため 幸せになる」 (2012年8月15日 岩手日報)
  • 「3.11 9.11 それぞれの追憶」 (2012年8月15日 河北新報)
  • 「テロ遺族らと被災学生交流」 (2012年8月21日 日本経済新聞)

支援団体

本プログラムは、下記の団体によるご寄附で運営されました。

 米日カウンシル
 ボストン東北緊急支援ファンド
KPMGジャパン

本プログラムは、下記団体より運営にご協力頂きました。

 ジャパン・ソサエティー

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