公益財団法人教育支援グローバル基金|ビヨンドトゥモロー

ビヨンドトゥモロー アジアサマープログラム2016

~民間外交のための日韓の若者パートナーシップ~

概要

教育支援グローバル基金は、アジア太平洋における若者による民間外交のプラットフォーム構築に向けた第一歩として、日韓学生による対話事業を開催しました。

本プログラムでは、共感力をもって活動できる人材の育成を目指し、学力や経済力に依ることなく多様な背景を持つ日本人学生11名と韓国人学生8名を選抜して、社会格差や若者の雇用、移民など両国に共通する課題について、日韓の若者がどう課題解決に向けて協働・貢献できるかを考えて討議する機会を設けました。また、プログラムを通して日韓の学生が互いの人生や将来について対話をすることで、国籍の違う人々との信頼構築のプロセスを経験し、建設的な二国間関係醸成の礎となる絆を育みました。

日時

8月16日 事前研修
8月17日~24日 アジアプログラム

参加者

日本側:ビヨンドトゥモロージャパン未来フェローズプログラムに参加する日本側学生11名(大学生8名:高校生3名)。日本全国の各地出身で、様々な事情により、海外での研修の機会を得ることが難しいと考えられる者を中心に選抜。

韓国側:韓国各地出身の高校生・大学生8名。一般公募により選考。

プログラム

事前研修

渡韓に先立ち、参加学生たちは東京都内で行われた事前研修に参加しました。事前研修で学生たちは、日韓両国に共通する社会問題について議論し、韓国での学びをより深めるための準備を行い、その成果を英語で発表しました。

東海大学 金慶珠教授から日韓社会の比較についてお話を伺う

日本の現代社会の課題について議論

韓国プログラム

8日間のプログラム期間中、学生たちはソウル・大田・釜山の3都市を巡る中で現地機関の訪問、意見交換などの交流を重ね、自分たちにできることを真摯に見つめました。また学生同士の対話も多く設けられ、団結した絆が生まれました。

ソウル

ソウルでは外交や移民問題に携わる方々からブリーフィングを受け、グローバルな視点からのインプットを得たほか、セウォル号沈没事故の遺族の方々と交流し、悲劇を語り継ぐ最前線からその意味や難しさを学びました。

ソウル滞在最終日には、韓国人の学生は橋本大二郎・教育支援グローバル基金理事長と今日の日韓関係について意見交換を行うセッションに参加し、歴史問題などの日韓関係の過去・現在・未来について真摯な意見交換を行いました。

また、ソウル市内のホテルで開催された中間発表会・レセプションでは、学生たちは、韓国の政治・外交・経済・学術などの各界で活躍するリーダーの方々の前で、ソウルでの学びを踏まえて日韓両国に共通する社会課題の特徴とその解決に向けて学生がどのような貢献ができるかを発表しました。

日韓の学生が集まり、オリエンテーションを実施

日中韓三国協力事務局を訪問

鈴木秀夫・在韓国日本臨時代理大使を訪問

セウォル号沈没事故の遺族との交流

在韓国米国大使館において学生団体と日韓の若者の将来や職業観について意見交換

移民・多文化家族支援を行う団体からお話を伺う

橋本理事長と韓国人学生との日韓関係に関する意見交換

ソウルでの学びについて日韓の関係者を招いてプレゼンテーションを実施

大田

大田では日本統治時代の影響が色濃く残る地域で活動するアーティストや、貧困地区で支援を行っている方々と交流し、社会課題の現場から生の声を吸収しました。

約100年前の住宅遺産をアーティスト・イン・レジデンス活動を通して再生する団体を訪問

貧困地区の支援を行う社会福祉法人を訪問

釜山

プログラムの締めくくりとして、釜山において最終提言発表会を実施しました。日韓の若者の協働をテーマとし、「若者の雇用」、「社会格差」、「移民」について単なる課題の分析や評論に止まることなくあくまで学生たちにできることを考え、提言を発表しました。発表会の後には、参加者それぞれがプログラムを通して感じたことを思い思いに共有する機会を設けました。気負うことなく、素直に8日間の気づきや学んだことを話すことのできる信頼関係が醸成されました。

脱北者学校を訪問し、現地の学生と交流

釜山の観光開発について専門家のお話を伺う

ビーチアクティビティを通じて友情を育む

日韓に共通する社会問題の解決に向けて学生がどのような貢献ができるかを提言にまとめて発表

参加学生コメント

8日間を終えて、韓国にいるのに我が家にいるかのような安心感をもっています。このプログラムを通して二国間の関係を新たな視点から見つめなおし、自分の世界が広がったと感じています。日本に帰ったらこの経験、そして自分の感じたことを周囲の友人に話し、発信していきたいです。
山崎成歩
(聖心女子大学2年)

今回学んだことの中で最も印象的だったのは、両国の人々の間に考え方の違いはあるものの、他者のためを想って行動しているのは同じであるということです。行動は一見違うように見えても、別々のやり方で同じことをしているのだと気付きました。だから、互いを尊重した建設的な両国の関係を築いていきたいと思っています。
ジン・ミンタク
(ソウル大学2年)

助成

独立行政法人国際交流基金

後援

在大韓民国日本国大使館

在大韓民国米国大使館

在釜山日本国総領事館

在釜山米国総領事館

公益財団法人日韓文化交流基金

協力

釜山韓日交流センター

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