一般財団法人教育支援グローバル基金|ビヨンドトゥモロー

将来は舞台俳優になり、社会的養護を始めとした自分の経験を生かせる社会問題に関する舞台をやりたいです。

21年度奨学生#エンデバーYさん

参加年次 : 高校3年

ビヨンドトゥモローには、親との死別・離別、児童養護施設や里親家庭で暮らすなどの経験を持つ若者が日本全国から集います。困難な経験を分かち合い、意見を交わすことを通して、自らの経験を糧に社会に力を添える存在となることを応援しています。21年度はコロナウイルス感染の影響を受けながらも、オンラインでのスピーカーセッションやオンライン・オフラインを併用したハイブリッド形式で開催することが叶いました。今回は21年度奨学生に1年間の活動について話を聞きました。

 

Q1. 1年間のビヨンド活動は、充実していましたか?

とても充実していました!難しいテーマが多いので上手く意見が出てこないという事や、周りと自分を比べてもう何も考えたくないと思う事も正直ありましたが、成功・失敗体験の中で、”成功したら自信がつく、失敗したら成功した時には知り得なかった発見などができる、メンタルが強くなる”という事に気づくことが出来ました。

Q2. ビヨンドの仲間と会ったことで、自分自身に変化はありましたか?

私は里親家庭で幼少期から育っているので、ビヨンドの仲間と出会う前はあまり似た境遇の同世代の方と関わる事がなく、境遇の事で悩み苦しんでいるのは自分だけだと思い、孤独感を感じていました。ビヨンドの仲間と出会い、バックグラウンドをシェアする事によって、似た境遇で育った仲間がいるという事を実感でき、皆も未来を向いて頑張っているんだから自分もいい加減過去じゃなく未来を見て頑張らなきゃいけないなと感じ、前を見ることが出来ました。そういった変化は8月の対面型の合宿のタイミングで現れていきました。

Q3. 1年間で最も印象に残っていることはどんなことですか?

8月の対面型プログラムです。8月のプログラムでは『レジリエンスの高い社会の実現の為に自分達に何ができるか』というテーマで提言発表を行いました。自分なりにかなり満足のいく提言が出せたことによって自信がついたと共に、自分がこういう境遇だからこそわかる気持ち、立てる視点があることに気付けて、勿論今まで負った心の傷の全てが払拭出来たわけではありませんが、呪ってきた自分の境遇を誇れるようになりました。

Q4. これからどんなことを目指して行きますか?

私の将来の夢は舞台俳優になる事です。私は演劇ができる社会貢献の1つとして社会的養護を始めとした自分の経験を生かせる社会問題に関する舞台をやりたいなと思っていて、(勿論それ以外の舞台もやりたいですが)、自分の経験を外に発信していく活動も出来たらいいなと思っています。私たちの様な社会的養護出身者や似た境遇の者たちが特別視されない社会に少しでも近づける事が出来るようにしたいので、まずは大学で演劇の勉強を精一杯頑張って、色々な社会問題などに関心を持ち、視野を広げて、演劇の強み、可能性を引き出す練習をしていきたいと思っています。