活動への想い

「多様な価値観が共生する社会」
ビヨンドトゥモローは、逆境にある若者の支援を通して、
私たちが生きる社会の未来を変えていきます

BEYOND Tomorrow | 一般財団法人 教育支援グローバル基金
ファウンダー 坪内 南

技術の進歩、経済の発展に伴い、現代の生活は格段に便利で豊かになりました。一方で、国内では貧困や虐待、世界では宗教や経済を巡る対立や環境問題などの諸問題への解決策が求められています。そして今後の社会がより良い場になっていくためには、自由の定義、尊厳のあり方など、複雑な問いへの答えも求められていくでしょう。その取り組みにおいて、異なる価値観を認め合い、社会を構成するひとり一人の想いが尊重されることが重要であると私たちは考えています。自らの価値観のみを正義と思いこみ、多様な考えを受け入れることができない社会、単一的な価値観により形成された狭量な社会制度は、持続可能な豊かさを遠ざけてしまいます。

ビヨンドトゥモローは、様々な事情で社会経済的に困難な立場に置かれた若者たちの社会参画を促進すべく、奨学金支給、人材育成プログラム、調査・発信活動を行っています。

この試みの根底にある発想は、弱者救済ではなく、多様な価値観が共生する社会の実現です。虐待やネグレクト、親の病死・自死・離別、貧困などの逆境を経験した若者たちは、他者の痛みに想いを馳せる、「共感力」を持っています。そして彼らが経験した困難は負の出来事ではなく大切な財産であり、彼らが将来、社会で活躍することで、弱い立場を経験した当事者の体験が社会に反映されていきます。
少数派と位置づけられていたり、声が反映されていなかったりした人々の参画は、集団の中長期的な競争力の向上、調和的発展につながります。それは、昨今のビジネス、アカデミア、スポーツなど各領域における事例が示す通りです。同様に、ビヨンドトゥモローが応援する若者たちの活躍の先には、寛容さに富む、彩り豊かな社会があると考えています。

他者の心の痛みに想いを馳せる共感力を持つ若者が社会を変えていく道筋を作るという挑戦には長い年月がかかります。その過程において、ひとり一人の人生における「成功事例」を急かすことなく、挫折や失敗も大切な糧として、共に歩んでいきたいと考えています。

この試みの成否の指標は、応援した学生の将来のキャリアにおける社会的地位の高低や、就いた職業が社会に与える影響力の大小ではありません。全員がそれぞれの場所で、様々な色や大きさの花を咲かせることを応援し、その成果を地道に積み重ね、活動の輪を広げていくことで、寛容な社会の実現に近づいていきます。そしてこの活動が、日本国内にとどまることなく、世界の難民や貧困層などを対象とする地球規模での取り組みとなる日も遠くないでしょう。

困難を経験した若者を今日、支えることは、遠い未来に向けた種まきの始まりです。まいた種が芽を出し、葉をつけ、やがて大きな花を咲かせ、その積み重ねが大きな花畑となり、新しい景色を創っていきます。この試みを前進させるべく、多くの方にご賛同いただき、お力添えをいただきたく、ご支援・ご協力をお願い申し上げます。

坪内 南
一般財団法人教育支援グローバル基金 ファウンダー

マッキンゼー・アンド・カンパニー(東京)、AAR Japanカブール事務所(アフガニスタン)、世界経済フォーラム(スイス)、バーレーン経済開発委員会(バーレーン)等での勤務を経て、2011年東日本大震災を機に一般財団法人教育支援グローバル基金(ビヨンドトゥモロー)を創設。以来、逆境にある若者達への支援を続けている。 慶應義塾大学総合政策学部卒業、マサチューセッツ工科大学都市計画修士。