一般財団法人教育支援グローバル基金|ビヨンドトゥモロー

2021年7月フィリピン・セブ島大学生との交流会開催報告

~フィリピン・セブ島を取り巻く貧困問題を考える~

セブ島のスラム街で暮らす大学生と交流しました

概要

2021年7月のマンスリーオンラインプログラムでは、株式会社エイチ・アイ・エスさんご協力のもと、オンラインスタディツアーを実施しました。
このツアーでは、海外における社会課題を学びたいという私達の希望のもと、フィリピン・セブ島のスラム街で暮らす学生との交流が実現しました。
ビヨンドトゥモローでは、例年夏に米国やアジアへの海外研修を行っていましたが、コロナ禍による影響で、昨年及び今年は実現することができませんでした。
海外渡航ができない状況下でありながらも、海外に視点を向け、現地に暮らす人々と直接交流をすることで、その国にある日本とは違った社会課題や解決の糸口について話し合う機会を持つことができました。


【主  催】一般財団法人教育支援グローバル基金

【協  力】株式会社エイチ・アイ・エス

【開催地】オンライン

【参加者】ジャパン未来スカラーシップ2021参加学生6

エンデバー2021参加学生12名、フェロー2名、フィリピンセブ島出身の大学生6名、他スタッフ 

プログラム・ハイライト

2時間のプログラムでは、前半に、現地で長年支援活動をされているCEC現地スタッフの池頭さんから、フィリピン・セブ島の現状を話していただきました。 フィリピンは日本の高齢化社会と違い、若者の層が非常に多い国であること、今後さらに発展する可能性を秘めている国です。また、英語の短期留学やリゾート地として、日本だけでなく世界からも人気のセブ島。 しかし、沢山の外国人で賑わっていた裏側では、 1日2ドル以下で生活している人たちがいます。 墓地や海上スラムと呼ばれる場所では、コロナ渦の今でもなお多くの人々が暮らしています。そのスラムで暮らす一般家庭の子供たちの住居環境や暮らし、教育について教えていただきました。

 



 

後半の1時間では、セブ島の学生達とビヨンド生の交流タイムを設け、現地学生のストーリーを聞き、家族を大切に想う気持ちや勉強への意欲、将来の夢などを語ってもらいました。 フィリピンの教育事情での大きな変化として、2018年から大学の教育費が無償化され、スラム街に住む子供たちにも高等教育の機会が与えられるようになったそうです。ある学生は、大学に通う前はストリートチルドレンだったそうですが、現在は大学で社会福祉について学び、将来はソーシャルワーカーになりたいと語ってくれました。
また、双方で事前に準備した質問を交互にしあい、セブ島の学生からは「LGBTQIA+に対する日本の考え方は?」「高校生の自殺率が高いのは本当か?」「コロナ禍で大変だと思うことは何か?」「新幹線や特急に乗るのはどういう気分?」など、様々な質問を受けました。 途中、セブ島名物のドライマンゴ―を食べながら、和気あいあいとお互いの国の文化や考え方についてなど、様々な質問をかわしあうことで、限られた時間の中でも充実した交流ができました。言葉の壁を感じた学生も多かったようですが、英語を学ぶ新たなモチベーションにもなりました。

 

参加学生の声

BEYOND Tomorrow 参加学生 

ホームレスや貧困問題について一応知っていたつもりだったけれど、フィリピンの現状を実際に教えてもらって、日本に届く情報はどこかで人の手が入って幾分優しく伝わっていたのだと思えた。やはり海外についてしっかりと知りたいのならば自分の目で見て耳で聞いて体で体感することが、必要なのだと思えた。

伝わったのかはわからないけど英語で自己紹介できてよかったです。また、積極的に発言、交流ができたので達成感でいっぱいです。フィリピンについて興味がわいたのでもっと交流できる機会があれば是非参加したいと思います。

セブ島の学生さんのお話の中で、”survive”という言葉が使われていることに気がつき、ただ生きていくという感覚ではなくて自分が命をかけて生きているんだというメッセージがあるように感じました。フィリンピンには生活保護がないということを知り、実際に貧困層がどのような暮らしを迫られているのかということを今回知ることができて本当に勉強になりました。

フィリピンの産業としてBPO(Business Process Outsourcing)という仕組みがあるということがわかり、池頭さんのお話にもあったように、他の国と関係性を作りながら産業を発展させることは面白いなと感じました。実際にストリートチルドレンから大学生になった学生さんのお話を直接聞くことで、とても身近な問題に感じました。動画や学生さんのお話の中から、本当に家族が大切で、常に家族を思う気持ちがとても伝わってきました。貧困層でも自分の将来を見出す学生さんの気持ちがわかり、私も日本からフィリピンや東南アジア、そして世界の良い面、悪い面をみて、自分の夢に向かい知識をつけていきたいと思いました。

外国の方と話す経験が初めてだったので、緊張しました。うまく言葉が出てこなかったので、もっと英語を勉強しようと思います。 スラムでの暮らしを聞いて、日本では信じられない環境で生きてきた学生の方たちは、家族との絆が強いと感じました。

今回のプログラムで英語が飛び交うのを目の当たりにして、とても刺激を受けました。フィリピンの方はもちろん、同じスカラーの仲間が流ちょうな英語を話しているのを聞いて、憧れを抱き、自分も英語力を高めたいと強く思いました。

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