エンデバー サマー・リトリート2023を開催しました!
平和を世界に発信する都市広島から学ぶ~一人ひとりの未来アクション~
概要
8月9日(水)~12日(土)、ビヨンドトゥモローエンデバープログラム参加者(高校生)を対象に対面研修「サマー・リトリート2023」を開催しました。
ビヨンドトゥモローには、成育過程において困難な経験をしながらも、自身の未来を切り開こうと志す若者が集まります。ビヨンドトゥモローは、この学生達が、仲間と価値観を共有することで、様々視点や考え方を知り、自身の新たな可能性にも気付けるような、学びや成長の機会を提供しています。
発表作成の過程では広島県内で活動を展開されている方にお会いし、「未来アクション~自立・協力~」をテーマに最終日に個人アクション・プランの発表を行いました。
主催
一般財団法人教育支援グローバル基金
後援
広島県教育委員会
開催地
広島県
参加学生
ビヨンドトゥモローエンデバープログラム参加者(高校生奨学生)12名
スケジュール
1日目
集合、オリエンテーション、スピーカーセッション、体験共有、ディスカッションワーク
2日目
モーニングセッション、被爆体験講話、施設訪問、ディスカッションワーク
3日目
モーニングセッション、農業体験、スピーカーセッション、ディスカッションワーク
4日目
モーニングセッション、発表会、ランチセッション
開催趣旨
今回の「サマー・リトリート2023」においては、「平和を世界に発信する都市広島から学ぶ~一人ひとりの未来アクション~」をテーマに、広島県での様々な経験や出会いを通して将来に対する考えを深めました。世界に平和を発信し続ける広島県を訪問し、悲しい歴史を繰り返さないように平和活動をする方や居場所つくりをされている団体などよりよい未来に向けポジティブに活動されている方々を訪問しました。
戦争の歴史や現代の様々な団体の取り組みから、将来自分がどのように社会に関わっていきたいかについてアクション・プランを考え、最終日に発表。自ら主体的に働きかける経験をすることで、より自分事として社会をとらえるきっかけとすることを期待して実施しました。
プログラムテーマ
「平和を世界に発信する都市広島から学ぶ~一人ひとりの未来アクション~」
プログラムハイライト
「自分観察」
リトリートプログラムでは描くエンデバーが毎日自分自身と向き合う時間を設けました。自分について知る過程で様々な人の価値観に触れ、仲間の視点を通して自らを観察し合うことで、今まで気づく機会がなかった自分の可能性に気づき、将来を描く手掛かりになることを目指しました。
1日目:スピーカーセッション
リトリートプログラムでは学生自らが「自分自身の解決したい課題」を「マイプロジェクト」として設定し活動します。様々なゲストとの時間において、自分だからこそ聞ける質問、ゲストの経験からしか聞けない質問をすることで、解決したい自分の課題へのヒントとしていきます。
初日のスピーカーセッションにはNHK広島放送局で記者をされる秦康恵氏をゲストに迎えました。原爆の恐ろしさ、平和とは何かを伝えるために多くの方に取材し発信されてきたご経験からお話を頂き、番組の一部をご紹介いただきました。
また、「記者の仕事とは」という切り口では「人の話を聞く」「情報を得る」という段階において大切にされていることを教えて頂きました。
学生の質疑応答では全員が質問をし、このリトリートプログラムで学びを引き寄せる「質問」を理解することができました。
2日目:被爆体験講話、施設訪問
平和を世界に発信する広島で、悲しい歴史を繰り返さないために発信活動を続ける方のお話から、「困難な経験をどのように社会に生かしていくか」について学びました。
国立広島原爆者追悼祈念館で被爆体験講話をして頂きました。
施設訪問では福山市で若者の居場所作りに取り組まれている方を訪問し、活動を始められた経緯や、活動内容についてお話を頂きました。
|NPO法人学習支援ヴァパウス
「地元の子どもたちの支援をしてほしい」という声かけに呼応して、学習支援を切り口にした、子どもの居場所を運営。当日は代表の木村素子氏にお話をいただき、学生からの質問にも丁寧に答えて頂きました。
|特定非営利法人どりぃむスイッチ
社会参加に困難をかかえる子ども若者とその家族が、主体的に幸せに生きていくことに貢献するため、専門性をもって関わり、社会へのかけ橋となることをミッションに掲げている。就労支援事業、自立援助ホーム事業、社会的養護を離れた若者のアフターケア事業を展開されていることから、思いの循環のためにできることを学びました。
3日目:農業体験、スピーカーセッション
|農業体験
130年の歴史ある広島の伝統野菜「広島菜」の産地を守り継ぐために活動している広島市安佐南区川内地区の若手農家グループを訪問。市街化によって50年間で5分の1にまで減った農地をいかにして守り継ぐかという課題に向き合う活動についてお話を聞き、課題にどう向き合っていくかについて学びました。実際に広島菜の収穫体験、広島菜を使った川内焼きを食べ、交流の中で農家の方の姿勢から多くの刺激を受けました。
|スピーカーセッション
平和を発信する広島で「平和」をキーワードにグローバルに活動を展開されているゲストをお招きし、対談をしました。
・国際連合事務次長(軍縮担当上級代表) 中満泉氏
・NPO法人 Peace Culture Village 専務理事 住岡 健太氏
4日目:発表、ランチセッション
「未来アクション~自立・協力~」をテーマに学生それぞれが設定した課題とその対策について発表しました。
|発表会ゲスト
一般財団法人教育支援グローバル基金 代表理事 橋本大二郎
広島県教育委員会事務局 学びの変革推進部長 教育センター所長 阿部 由貴子様
NPO 法人 Peace Culture Village 専務理事 住岡 健太様
NPO 法人 学習支援 ヴァパウス 木村素子様
特定非営利法人どりぃむスイッチ 中村友紀様
|発表テーマ一覧
・第三者(他者)の存在の意義を理解し、有効に利用する~彼らから得られること・もので広がる未来~
・失敗経験による成功への視野狭窄とその克服
・遠くの目標に対する向き合い方~頑張れない自分を克服するために~
・自信がない自分に必要なものは何か?
・“今”を生きる“私”だから~周りの顔を伺い自ら一歩を踏み出せない人へ~
・自己肯定感を高め自らの意見を言い未来を切り開いていく
・人に流されない上で正しくあり続けるには
・前向きに一歩を踏み出すために
・実現したい未来を思い描けない自分について
・人との関わり
・捉え方の転換
・失敗経験の構成要素とその影響
ランチセッション
プログラムを振り返り、日常に戻ってからの活動や将来について語り合い、3泊4日の学びを今後の人生にどう結びつけていけるかを考えます。
広島平和公園近くに「社会とつながること」がテーマのカフェをオープンし、「6のつく日に語り部さんとお話しよう」など、毎月約30の社会派イベントを開催している「Social Book Café ハチドリ舎」を会場にお借りしました。
代表の安彦恵里香氏の活動についてお話を伺い、「自分らしく生きる」ことについて深く捉えて振り返りを行うことができました。
学生の感想
Yさん
前は将来に関わる話でも真面目に向き合おうとしていなかったけれど、サマー・リトリートに参加したことで、エンデバーのみんなのよく練られた意見や、考えたテーマに対する熱量を見てきたことで「もっと意欲的に取り組もう」「放置してきた課題を終わらせよう」と自分でやる気を起こせるようになったと感じました。
Hさん
人との出会いを大切にしようと思うようになりました。もともと人との関わりに苦手意識があり、人と関わることへの行動を起こすことができないでいましたが、ゲストの方々やエンデバーのみんなと日常を過ごす中で、人と関わることから得られることが多いと実感することができました。固定概念を壊すことができたり、疑問に思ったことを話して答えを見出したりしていいのだと知ることができ、安心しました。みんなが様々な意見を持っているからこそ、意見を尊重すればいいのだと考えられるようになりました。