公益財団法人教育支援グローバル基金|ビヨンドトゥモロー

オリエンテーションプログラム2023開催報告

 

    ~これからの1年を人生に活かすために~

概要

3月28日(火)~30日(木)、ビヨンドトゥモロー2023年度奨学生27名を対象に「オリエンテーションプログラム2023」を開催しました。

ビヨンドトゥモローには、成育過程において困難な経験をしながらも、自身の未来を切り開こうと志す若者が集まります。ビヨンドトゥモローは、この学生達が、仲間と価値観を共有することで、様々な価値観を知り、自身の新たな可能性にも気付けるような、学びや成長の機会を提供しています。

オリエンテーションプログラムでは、一つの家(コテージ)に初めて顔を合わせる2023年度生が集い、これまでの経験や将来への志を共有し、卒業生やゲスト、集まった仲間の視点を交えながら、これからの1年が人生に活きる1年になるために何ができるのか、時間をかけて考えました。

主催 

一般財団法人教育支援グローバル基金

開催地

山梨県

参加学生

エンデバー2023、ジャパン未来スカラーシップ・プログラム2023、ジャパン未来フェローシッププログラム2023 計27

スケジュール

1日目:集合、オリエンテーション、アイスブレイク、BBQ、体験共有

2日目:朝散歩、ほうとう作り体験、ディスカッション、卒業生対談、ゲスト講演

3日目:目標設定、リフレクション、クロージング、遊覧船、解散

開催趣旨

ビヨンドトゥモローでは多様なバックグラウンドを持つ仲間が集まり「未来への挑戦」について年間を通して様々な視点から考えます。年間プログラムでは、出会いを通して一人ひとりが前を見ることで未来の中に居場所を見つけ、社会のために何ができるのかを考え、実践する機会を組み込んでいます。対面で行うプログラムには、オンラインの繋がりでは得られない出会いや葛藤など、未来へ挑戦するための様々な経験があります。オリエンテーションプログラムでは初めて顔を合わせる23年度奨学生がこれからの出発地点を共有し、未来について考えました。

プログラムテーマ 「これからの1年を人生に活きるものにするために」

志を持ってビヨンドトゥモローの場に集まった彼らにとって、これからの1年の目標や目標達成の過程での学び、多くの人々との出会いや学びを大切にすること、そして自らが成長するためにどのようなスタートを切るか考えることが重要だとビヨンドトゥモローは考えています。自らの経験で得た視点に加え、かつてビヨンドトゥモローの活動に参加したことのある卒業生や、各所で学びの場づくりをされてきたゲストのお話を取り入れながら将来を描き、学生同士が共有しました。彼らがこの1年学ぶこと、葛藤し乗り越えていく経験が、この先の人生においても背中を押してくれるような財産になるよう、願っています。

プログラムハイライト

体験共有

ビヨンドトゥモローでは、共感力のあるリーダー育成のため、お互いについて語り合う体験共有を毎回の対面プログラムで行います。それぞれのバックグラウンドや将来の志、まだ消化しきれていない経験や葛藤していることなどを共有しながら、相手を受け入れ、関係を築いていきます。

ディスカッション 「創造的な社会に必要なモノ・コトとそれを創るために私たちにできること」

この1年参加する対面プログラムにおいて、自らの視点を活かした意見を仲間と共有し、社会をより良くするために自分たちにできる事は何かを様々な視点から考え、発表する場があります。オリエンテーションプログラムでは、グループディスカッションと発表に慣れることに加え、異なるバックグラウンドの仲間の視点を組み合わせることで新しい価値や可能性が生まれる体験を共有することを目的としました。

卒業生対談

活動発足から12年のビヨンドトゥモロー。卒業生の姿を通して奨学生が自分の将来像を描く時間を目的とし、各年代の卒業生4名に登壇していただき、それぞれが参加した当時の思いや現在に活きていることについてお話を聞きました。描いた将来像に近づくためにこの1年どんなことを学ぶのか、どんな活動をするのかについて、具体的に考えました。


―卒業生のメッセージ
2016年のプログラムに参加した斉藤さん

自分たちで持っている芯や夢をきちんと持ってほしいと思います。もし途中で心が折れる事があっても、ビヨンドトゥモローには癒してくれる人が居るし、色んな環境で生きた仲間が集まる場所なので、良い機会になればと願っています。今はそれぞれ違う将来を目指している気がしても、それはいずれ価値観のグラデーションとなり、重なり合って一つの社会を実現していくと思います。

2017年のプログラムに参加した伊藤さん(フェローシッププログラム2023参加)

学校とも家とも違う特殊な「ビヨンドトゥモロー」という場所をみんなが大切に思ってくれたら嬉しいですし、これからそれぞれの場所で経験した後、帰ってくる場になったら嬉しいです。この場に集まることができた意味を1年間通して見つけてほしいと願っています。

ゲスト講演

ビヨンドトゥモローのプログラムでは、奨学生が将来を描く視点を増やすことを目的に、各界で活躍するリーダーとの交流を重視しています。オリエンテーションプログラムでは、これまで多様な学びの場、教育現場を創ってこられた2名のゲストからお話を聞きました。自己対話の大切さや自分だからこそ抱える違和感の正体と向き合うことについて深堀して頂きました。

ゲスト

一般財団法人教育支援グローバル基金 理事/楽天グループ株式会社 常務執行役員 チーフウェルビーイングオフィサー 小林正忠氏

1997年の楽天創業から参画し、現在は社員のウェルビーイングを実現する役を担う「CWO:チーフウェルビーイングオフィサー」。2001年には母校の慶應義塾大学に「正忠奨学金」を創設するなど、若者の育成に力を入れている。2011年世界経済フォーラムYoung Global Leadersにも選出。5児の父。

 

スタディサプリ教育AI研究所所長 東京学芸大学大学院准教授 小宮山利恵子氏

早稲田大学大学院修了後、国会議員秘書になるが、ひとり親家庭で育った経験から「すべての子どもたちに教育の機会を」という思いを胸に、教育領域に従事していくことを決心する。ベネッセコーポレーションの会長秘書を務めながら「教育とは何か」「教育事業とは何か」について学び、その後リクルートが展開するオンライン教育アプリ「スタディサプリ」のビジョンとミッションに共感し2015年に入社。

目標設定

この3日間で感じたことや学んだことを踏まえて、自分がビヨンドトゥモローで1年間どう過ごしていきたいかを、仲間とブラッシュアップしながら考え、グループ内で共有を行いました。

学生の感想

”今まで「挑戦してみたい!」と思うことはいくつもあったものの、自分自身の思い込みや固定概念、環境を言い訳にして諦めてしまうことが多くありました。
しかし、今回のプログラムを通して、もっと気楽に考えてもいいんだ、人生なるようになるんだ、と前向きに物事をとらえることができるようになり、今後やりたいことへ踏み出すための一歩になったと感じます。”

”このプログラムを通して、「私には仲間がいるんだ」という確信を持ち始めていることに、自分の変化を感じます。
今回出会った皆とは、何か特別なつながりで結ばれている気がしてなりません。
そんなつながりを持った皆と、これからの1年間のみならず、生涯を通して互いを支え合い、刺激し合えることがとても楽しみで、希望が持てます。”

”プログラムに参加する前は、「自分に明日はあるのだろうか?」などと考えてしまい、明日の予定を立てることさえ怖くなる時がありましたが、ゲストや仲間から「今はとにかく自分のやりたいことを思う存分表現しながら生きていくことが大切」ということを学びました。
今の私は、明日どんな人に出会うことができるのか、自分がどう変われるのかという未来にとてもワクワクしています!”

ビヨンドトゥモローについて