一般財団法人教育支援グローバル基金|ビヨンドトゥモロー

2021年度3月オリエンテーション・プログラム開催報告

 

概要

3月23日~25日の3日間、ビヨンドトゥモローの奨学生を対象とした、今年度のキックオフとなるオリエンテーション・プログラムをオンラインにて実施しました。例年であれば、毎年この時期に宿泊型の研修を実施し、全国から集まった高校生、大学生が仲間と出会い、これから一年間のプログラムを共にする仲間としての絆を深めるとともに、フィールドワークやディスカッション、提言発表などを通し、「社会のために自分には何ができるか」を考える機会提供の場となっていました。

しかしながら、2020年からの長引くコロナの影響により、昨年同様、今年度のオリエンテーション・プログラムもオンラインでの開催を余儀なくされました。そのような環境下、今回のプログラムでは、対面での研修と同じく、画面上であっても仲間一人ひとりについて知り合い、絆を深めるところを目標としました。

昨年度からの継続参加者の受け入れ

今年度の特徴として、昨年度に参加した奨学生が、コロナにより対面での研修が叶わなかったことから、特別処置として、希望する学生には今年度のプログラムの継続提供を約束しました(奨学金支給は無し)。結果、7名の高校生及び4名の大学生が昨年に引き続き継続して人材育成プログラムへ参加することとなりました。今年2年目となる学生と、初参加の学生を迎え入れ、新たな一年がスタートしました。

参加学生:

エンデバー(13 名)

児童養護施設などの社会的養護の施設や里親家庭に暮らしており、自らの視野を広げ、自分の将来について考える志のある高校生を応援する「エンデバー2021」参加メンバー。

スカラー(8 名)

–親との死別・離別、社会的養護の施設や里親家庭に暮らす、生活保護受給世帯になるなどの困難を経験しながらも、将来、社会に尽力する志をもち、高校卒業後新たに進学する過程を応援する「ジャパン未来スカラーシップ・プログラム 2021」参加メンバー。

フェロー(2名)

–ビヨンドトゥモローに参加して 2 年目以上の大学生が、ビヨンドトゥモローの活動の運営に参加する「ジャパン未来フェローシップ・プログラム 2021」参加メンバー。主にプログラムの補助に携わる。

 

プログラム・ハイライト

今回のオリエンテーションでは、新規参加の奨学生にビヨンドトゥモローについての理解を深めてもらうため、ビヨンドトゥモローに関わりのある方々からのスピーカーセッションを行いました。まずはビヨンドトゥモローの卒業生である大山貴史さんに、ご自身の生い立ちやビヨンドトゥモローに参加したきっかけ、プログラムを通して最も印象深かった事などを話していただきました。プログラム参加において大山さんが最も印象的だったことは、初めてプログラムに参加した際の体験共有の場であり、自分の過去を同情的に扱う他人とは違い、前向きに人生をとらえることの大切さを教えてくれた先輩との出会いに衝撃を受けたそうです。そして、そのような仲間との対話やディスカッションを何度も行うことで、様々な感情に向き合い、消化できない疑問などにぶつかったそうですが、それこそがビヨンドトゥモローで得られる多様性からの 刺激であり、今年度プログラムに参加する学生にも、そのような体験を通して、自分の思ったことを積極的に言語化する大切さを学んでほしいという熱いメッセージをいただきました。

代表理事の橋本大二郎からは、橋本とビヨンドトゥモローとの出会いや、財団法人としての活動の概要のほか、学生に今後、どのようにビヨンドトゥモローでの体験を自らの生活に活かしていって欲しいか、という想いなどを冒頭に語りました。さらに、家族について、高知県知事時代、アナウンサー時代の苦労話など、プライベートからキャリアまで、幅広いエピソードを紹介し、学生の笑いを誘う場面も。学生からの質問コーナーなども通して、代表理事と学生との距離が縮まりました。

もう一名のスピーカーは、同じくビヨンドトゥモローの理事であり、発足当時からビヨンドトゥモローを支え続けている楽天株式会社 常務執行役員チーフウェルビーングオフィサーの小林正忠でした。気さくな人柄と説得力あるプレゼンテーションで、楽天創業時の秘話なども織り交ぜながら、チャンスをものにする人間としない人間の違いや挑戦することの大切さを語りました。

参加学生の声

・2日目に橋本さんと小林さんの話を聞いて、自分は自分なりの生き方でいいとか自分の価値観でいいのだなってことが感じられました。

・昨年度も感じたことですが、オンラインでも本当にお互いの仲を深められる可能性があるということを実感し、この1年がとっても楽しみになりました。

リモートでもその人の人柄が分かることがわかった。特に2日目の議論では活発に議論ができて、自分の価値観や考え方が広がったと思う。今後も活発な議論やアイスブレイクなどを経てメンバーについて知っていきたいと思う。

・昨年同じグループだった人が誰もいない中、新規生と仲良くなれたことが1番嬉しかったです。初回で和やかになれたからこそ、これから難しいディスカッションがあっても本気でぶつかれると思います。

 

オンラインでの取り組みは昨年スタートしたばかりで試行錯誤が続きますが、学生たちはその環境下でも意義を見出し、有意義な交流をすることができました。

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