ビヨンドトゥモロー スプリングプログラム2015 開催報告
概要
ビヨンドトゥモロー スプリングプログラム2015は、ビヨンドトゥモローの奨学金プログラム参加者を対象としています。参加学生が、ビヨンドトゥモローについて理解を深め、未来に向かって自分が目指すべきビジョンを描き、これからの1年間をどう過ごすかを具体化する3泊4日を過ごしました。プログラムにおいては、「思考と対話」をテーマに、自分とむきあい、そして他者とむきあう時間を持ちました。濃密な時間を共にした学生たちは、仲間としての信頼を深め、今後、自分のため、仲間のため、社会のためにできることを実現するための一歩を踏み出しました。
目的
今回のプログラムでは、ビヨンドトゥモローの各種奨学金プログラムの参加者が一同に会し、3泊4日の対話プログラムを通して、下記を達成することを目的としました。
- 自分との対話
自らの弱さや非力さを含めて自分の奥深いところにも目をむけ、そこから浮かび上がる、自分の存在を受け止める。これまでに意識しなかった自分を再発見し、個を確立していく過程を体験する。 - 他者との対話
思考の結果を他者と共有することで、自己と他者の思考の差異をどう受け止めるかについて考える。「異なること」「理解しあえないこと」をリスペクトを持って受容し、その先を考えるための信頼について考える。
本プログラムは、財政支援のみに終わらない、被災地発の包括的なリーダーシップ教育を目指すビヨンドトゥモロー独自の奨学金プログラムの意義を学生全員が理解する上で欠かせない機会として、2012年以来、第4回目の開催となっています。
過去のページ
- 2013年 スプリングプログラム
- 2012年 スプリングプログラム
日程・開催地
日程:2015年3月20日(金)~23日(月)
開催場所:国立オリンピック記念青少年総合センター、みの石滝キャンプ場
参加者
ビヨンドトゥモロー奨学金プログラム2014年度、2015年度在籍者
(東日本大震災の際に、岩手・宮城・福島の3県に居住していた学生で、大学またはそれに準ずる教育機関に在籍し、将来、グローバルに活躍するリーダーとなる志を持つ者。小論文による1次選考、チームディスカッションによる2次選考を経て、厳正に選出された)
2015年度参加者一覧
スケジュール
1日目 | オリエンテーション 「マイ・ストーリー」 提言作成ガイダンス 「1年間のアクションプラン」 ディナーセッション (ゲスト: 橋本大二郎 一般財団法人教育支援グローバル基金評議員) ビヨンドトゥモローナイト 「リーディングセッション:沈黙(村上春樹著)」 |
2日目 | キャンプ場への移動 ディブリーフィング アウトドアアクティビティ(カヌー体験・トレッキング) 飯盒炊さん、夕食 ゲーム大会 体験共有 |
3日目 | ディブリーフィング 入浴・昼食 東京へ移動 提言作成 ビヨンドトゥモロー・フォーラム |
4日目 | 閉会式 & ランチ リフレクション |
プログラムハイライト
オリエンテーション「マイ・ストーリー」
プログラムの冒頭、参加者たちは、自分だけのストーリーを発表しました。テーマは、東日本大震災のこと、自分の夢、自分の勉強分野など多岐に渡り、初対面同士が打ちとけるきっかけとなるだけでなく、自分とは何者なのかを自分自身が探るスタートとなりました。
“震災後、関東で大学に進学し、周囲には震災のことを直接知っている人もほとんどいなく、震災のことを話す機会がなかった。サミットなどの機会でビヨンドトゥモローに参加する度に、3年前の自分の気持ちに帰ることができる気がしている”
菊地将大
ビヨンドトゥモローProject HOPE特別奨学生
筑波大学 社会・国際学群(岩手県立高田高等学校卒業)
リーディングセッション:「沈黙」(村上春樹著)
村上春樹の短編「沈黙」をテキストとして、善と悪、自意識の存在、事象の多面性について、個々人で模索し、それをグループで共有しました。シンプルなストーリーを読み解く中で、自分自身の視点や感性について気づきのある空間が生まれました。
チームビルディング:野外キャンプ
プログラム半ば、参加者たちは相模湖でキャンプに臨みました。湖でのカヌー体験や山登りに興じ、力を合わせて食事を屋外で準備し、ゲーム大会に歓声をあげました。そして、夜は小グループにわかれての「体験共有」の時間を持ち、これまでの日々の中での、やるせない気持ち、人に言えなかった思いを仲間と共有する時間となりました。キャンプは、2013年に東北未来フェローズプログラムに参加した学生たちの手によって運営されました。
ビヨンドトゥモロー・フォーラム
ビヨンドトゥモロー設立以来、4年近くが経ちました。これまでに奨学金プログラムに参加した卒業メンバーたちが集結し、ビヨンドトゥモローで過ごした日々、それからの日々について語り合いました。現在、奨学金プログラムに在籍している学生たちは、卒業メンバーの活躍について知り、刺激を受ける機会となりました。
“これまで、ビヨンドトゥモローにどんな卒業生がいるのかも知らなかった。実際に会って話し、ビヨンドトゥモローに参加した人たちを繋げていく「場」の大切さを思った”
遊佐紀子
東北未来フェローズプログラム
昭和女子大学生活科学部環境デザイン学科(岩手県立宮古高等学校卒業)
閉会式
3泊4日のプログラムは、彼らがまとめたアクションプランを提示する閉会式で締めくくられました。「ビヨンドトゥモローの今後はどうあるべきか」をテーマに、各チームがまとめたプランを発表しました。これから、全員の力を合わせて、ビヨンドトゥモローという場を構築するという誓いと共に、濃密な時間の続いたプログラムが終了しました。
プレゼンテーション
「東日本大震災から5年という節目が近づく今、ビヨンドトゥモローは今後、必要なのか」「何を続けたいのか、なぜ継承したいのか」をテーマに、4日間の間に真剣に議論しあった内容が発表されました。
講評
閉会式では、小泉進次郎内閣府大臣政務官兼復興大臣政務官から学生たちへのメッセージをいただきました。
“「ビヨンドトゥモロー」という名の通り、より良い明日にむかって、より良い社会を必ず築けると、そう思う中で、ビヨンドトゥモローの皆さんの存在が励みになっています”
ビヨンドトゥモローの奨学金プログラムに参加する学生たちは、本プログラムを含む様々な活動に年間を通して参加し、人間的成長を遂げ、それを更に後進や広い社会へ還元することが期待されています。