公益財団法人教育支援グローバル基金|ビヨンドトゥモロー

サマー・キャンプ2023を開催しました!

~これからの社会を生きる上で大切な力を身に付ける4日間~

概要

9月6日(水)~9日(土)に、ジャパン未来スカラーシップ・プログラムおよびフェローシップ・プログラム参加者(大学生)を対象に対面プログラム「サマー・キャンプ2023」を開催しました。

ビヨンドトゥモローには、成育過程において困難な経験をしながらも、自身の未来を切り開こうと志す若者が集まります。年間を通じて開催するプログラム中には、学生達が仲間と価値観を共有することで、様々視点や考え方を知り、自身の新たな可能性にも気付けるような、学びや成長の機会を提供しています。

主催

一般財団法人教育支援グローバル基金

開催地

東京都

参加学生

ジャパン未来スカラーシップ・プログラム2023参加者(大学1年生)11名
フェローシップ・プログラム2023参加者(大学2年生)1名

スケジュール

1日目

集合、オリエンテーション、ディスカッション、日本若者協議会様との交流会、ビヨンドトゥモローナイト(体験共有)

2日目

ボーダレス・ジャパングループ辻田様によるご講演、株式会社LITALICO深澤様によるご講演、認定NPO法人D×P今井様によるご講演、ディスカッション

3日目

米日オンライン交流会、100BANCH見学、Startup Hub Tokyo丸の内訪問、提言作成、提言発表交流会

4日目

卒業生によるご講演、留学経験のあるゲストによるご講演、リフレクション、フェアウェルランチ

 

開催趣旨

今回のプログラムテーマは「これからの社会を生きる上で大切な力」を身に付けること。

不安定で不透明なこれからの時代を生きていく上で大切となる「自分で考えて主体的に行動する力」を身に付けるきっかけとなることを意識して、4日間を過ごしました。

今回、参加学生は自ら「プログラム内で取り組みたい社会課題」を設定してプログラムに臨みました。

これまでのビヨンドトゥモローのプログラムでは、スタッフが提示する課題に対してディスカッションをしてもらう形式をとってきましたが、今回は「自主性」を大切にするプログラムにするために、問いから自分たちで考えてもらう形式としました。

その結果、学生は自らの経験や想いをもとに、グループごとにそれぞれ以下のような課題を設定しました。

 

グループA:子ども達の体験格差の解決のために私たちにできること

グループB:高校生が抱える奨学金問題の解決のために私たちにできること

グループC:若者の孤独を解決するために私たちができること

 

自ら想いをもって設定した課題だったからこそ、いつも以上に当事者意識をもって、高い熱量で課題解決に臨むことに繋がりました。

プログラムハイライト

ビヨンドトゥモローナイト

1日目の夜に、対面プログラム恒例の「ビヨンドトゥモローナイト」を実施しました。この時間では「体験共有」と題して、学生がそれぞれこれまでの人生で経験してきたことを仲間に共有します。

学校の友達にも、家族にも言いづらい経験や想いをシェアすることで、過去を見つめ、未来に前向きに進むきっかけとすることを目的とする大切な時間。同情の目などを向けられることのない心理的安全な場で、自分の素直な気持ちに向き合います。

この時間は、インターンとして参加する学生が企画から運営までを一貫して実施。自身が奨学生として参加したときの経験を活かして、想いを込めてこの時間を創りあげてくれました。

また、この日はちょうど誕生日を迎える学生が2人いたため、みんなでお祝いをしました!

スピーカーセッション~多様な社会課題解決方法を知る~

学生がそれぞれ設定した課題についての解決方法を考える上で、「多様な社会課題解決方法を知る」ことを目指し、様々な形で社会にアクションを起こされているゲストにお話をお伺いしました。

ビジネスの中で社会課題を解決する仕組みを学んだり、1つの問題に対して様々な切り口でアプローチする選択肢があることを知ったり、またそれぞれのゲストの創業ストーリーをお聞きしたり。

行動の起こし方はいくつもあることや、アクションを起こす上で「当事者であること」は大きな強みになることなどを教えていただきました。

<ご協力いただいたスピーカーの皆様>

  • 一般社団法人日本若者協議会 代表理事 室橋祐貴様
  • ボーダレス・ジャパングループ ワオフル株式会社 代表取締役社長 辻田寛明様
  • 株式会社LITALICOパートナーズ 代表取締役社長 深澤厚太様
  • 認定NPO法人D×P 理事長 今井紀明様

 

施設見学訪問~実際にアクションを起こすために~

3日目には、実際にアクションを起こしたいときに後押ししてくれる施設として、100BANCHとStartup Hub Tokyo丸の内に訪問しました。

それぞれ施設設立のきっかけや仕組み、想い、活用方法などを丁寧にお教えいただき、社会課題への行動を応援してくれる存在についての選択肢を増やすことができました。

まずは「解決したい!」という想いさえあれば、実行フェーズでの具体的な悩みについては、自分たちだけで抱えることなく相談できる先が多くあるということを知りました。

提言作成・発表会

ゲストからの講話や様々な施設訪問を通して、学生たちは自ら設定した課題の解決方法への考えを深めていきました。ディスカッションの時間のみならず、移動や食事の時間ですらも議論を続けている様子がとても印象的でした。

3日目の午後には、卒業生や社会人メンターからアドバイスをもらいながら、自分たちのアイデアをブラッシュアップする時間を設けました。

モルガン・ルイス & バッキアス法律事務所の弁護士の方々にご協力いただき、一気にプレゼンテーションのクオリティを高めることに繋がりました。

 

そして3日目の夜には、プログラムの学びの成果発表として「提言発表会」を実施しました。それぞれが考え抜いたアイデアを「提言」という形で5分間のプレゼンテーションにまとめ、20名ほどのゲストの前で発表。

学生は緊張した面持ちをしていた一方で、壇上に上がると自信をもって堂々と発表しており、ゲストの皆様からもお褒めの言葉をたくさんいただくことができました。

また今回の提言発表会では、普段ご支援いただいている皆様と学生が直接交流する時間も創ることができ、学生は直接ゲストの皆様とコミュニケーションをとる貴重な機会を得ることができました。

終了後には、「ゲストの皆様からこんなコメントを頂くことができた!」と嬉々として報告してくれる学生も多くおり、とても刺激的な時間になりました。

 

モチベーションワーク

そして最終日は、「サマー・キャンプ終了後の明日からの未来を考える」ことを目的として、2つのセッションを開催しました。

1つは「提言をカタチに」というテーマで、実際に昨年度ビヨンドトゥモローで発表した提言を実現させている卒業生をお呼びして、アクションを起こす上でのコツなどを聞きました。参加学生と同年代で、実際に行動を起こしている卒業生の話を聞いて、学生たちはますます「実際に明日からアクションを起こしたい!」とやる気に火が付いたようでした。

そしてもう1つは「留学のススメ」というテーマで、留学経験のあるゲスト4名をお呼びしてお話をお伺いしました。ビヨンドトゥモローでは、グローバルな視点を持ったリーダーを育成することを目指しています。そのため、参加学生により海外や留学を身近に感じてもらうことを狙いとして実施しました。経済的に困難を抱えていても留学のチャンスはある、ということをゲストから学び、学生たちも一気に「留学」に関心を持つことにつながったようでした。

 

 

学生の感想

Nさん

「1人1人の力は小さくても、無力じゃない」というゲストのお話が最も印象に残っています。その一言を聞いて、今まで抱えていた無力感が和らいだような気がします。「私が動いたところで変わらない」ではなく「行動して、周りを巻き込むことができれば、半径5メートルの世界は変わるかもしれない」と思えるようになりました。

Hさん

今回のプログラムを通して、一歩踏み出すことのできる強さが身についたと感じています。プログラムを終えた今、「どうせ自分なんか」ではなく、「自分が」「自分だから」という気持ちを抱くことができています。提言発表後に、多くの人に「それ面白い!」「こうしたらどう?」などのフィードバックを頂けて、自分たちの頑張りに向き合ってくれる人がこれだけいるのだから、これからも続けていきたいと強く感じました。

Sさん

今回のプログラムによって「目標ができた」ということが非常に良かったと思っています。社会問題の解決の手段は1つに限らず、起業・行政への提言・NPO設立・個人事業など、多様にあるということも知ることができたため、今後は自分の決めた目標に向かって様々な方法で挑戦していきます!



学生一人一人がプログラムに全力で向き合い、「一歩踏み出す」ことの大切さを感じることができた4日間となりました。プログラムにご協力いただいたすべての皆様に感謝申し上げます。

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