公益財団法人教育支援グローバル基金|ビヨンドトゥモロー

ジャパン未来リーダーズサミット2025 開催報告

 

「ジャパン未来リーダーズサミット2025」を開催しました


2025年10月11日(土)~13日(月・祝)、東京都内にて、「ジャパン未来リーダーズサミット」を開催いたしました。

年間のプログラムの中で最大規模となる「サミット」。今年も年間奨学生に加え、単発参加の高校生を含めた50名以上の学生が全国各地から参加し、自らの声を社会に発信しました。

 

活動への思い

このサミットは、親との死別や離別を経験したり、児童養護施設に暮らしたりして社会的・経済的に厳しい状況にあるなど様々な困難を経験しながらも社会のために力を発揮できる存在となることを願う若者を対象に開くものです。
サミットでは、若者たちが、政治・行政・ビジネス・メディア・NGO など様々な領域で活躍するリーダーたちのアドバイスの下で、今の日本が抱える課題について考え話し合いながら、地域や日本の未来につながる提言をまとめ、最終日に発表します。
私たちは、こうした困難を経験した若者たちが、このサミットへの参加を通じて、逆境を糧に自分の人生を切り開き、ひいては他者のために生きる存在となる過程を応援していきます。

開催概要
〈参加学生〉
・エンデバー(高校生)奨学生(11名)
・ジャパン未来スカラーシップ・プログラム(大学生等)奨学生(11名)
・サミット外部高校生(25名)
・インターンシップ参加生(6名)

〈ご支援〉 
バンク・オブ・アメリカ、グリーンコア株式会社、株式会社ジーエークレアス

〈後援〉
文部科学省、こども家庭庁

 

活動ハイライト

提言作成
参加学生たちは、3日間を通して、若者たちの自立について考え、「18 歳からの自立に必要なこと ~「助けて」の声をあげる・届けるために~」について班ごとにディスカッションを行いました。高校生・大学生の、自らの経験から見えてくる視点を生かして、自分には何ができるか、社会へ求めることを考えました。

各班には、メンターとして、様々な分野で活躍される社会人ボランティアの方々に入っていただき、高校生・大学生等の視点と社会人の視点を組み合わせながらの提言を作成しました。

 

 

 

最終日には、提言発表会を行いました。
審査員の方々やご観覧の皆様の前で、参加学生たちが作成した提言をプレゼンテーション形式で発表し、社会に向けて自分たちの思いを訴えました。

 

 

最優秀チームは、ひとり親家庭で暮らす若者の自立支援に焦点を当てました。彼らは、「頼るのは甘え」と感じ、支援を求めることにためらいを抱く若者が多い現状を指摘。制度的な壁だけでなく、「周囲に頼るのが恥ずかしい」という心理的ハードルに着目し、その解消策を探りました。

提言では、大学などに支援窓口の設置を義務化し、スクールソーシャルワーカーなどの専門職に加え、同じような経験をもつ学生サポーターが関わる仕組みを提案。「自分だけじゃない」「この人ならわかってくれる」と感じられる環境をつくることで、相談への一歩を踏み出しやすくする狙いです。

実現に向けては、既存の成功事例から学び、リスクや課題をヒアリングしたうえで行政への提言活動を行うという、具体的かつ実現性の高いアクションプランを発表しました。

 


ビヨンドトゥモローの年間奨学生からは、今年度に参加した研修の活動報告も行われ、参加学生が主体となって創り上げた提言発表会となりました。

 

スピーカーセッション

2日目には、元ソニー社長兼 CEO で、現在は一般社団法人プロジェクト希望の代表理事である平井一夫氏に登壇いただき、スピーカーセッションを実施しました。ご自身のこれまでのリーダーとしての経験や、乗り越えられてきた課題、今求められるリーダー像について語っていただきました。

参加学生からは、沢山の質問の手が挙がり、グローバルに活躍されるリーダーと直接対話できる貴重な機会となりました。

参加学生の声


●外部参加生(高校生)

「私が1番印象に残っているのはビヨンドナイト∗ 以後からのディスカッションです。
ビヨンドナイト以前のディスカッションでは自立について話し合ってもオーソドックスな意見しか出なかったり、打ち解け合えずに固い状況が続いていましたが、ビヨンドナイトを経てお互いがお互いの状況を知り、さらに深めていくことができました。またビヨンドナイトでは今まで誰にも言えなかったこと、心のどこかに閉じ込めていたことを、打ち明けて少し涙が出てしまいましたが、心の重りが少し軽くなりました
そしてそこからの長いディスカッションにより自分はどんな意見を持っているのかちゃんと伝えることも出来たし、相手の意見にも賛同することができました。」

∗ビヨンドナイト…これまで経験してきたことを互いに伝えあい、これまでやこれからについて考えるセッション。

「18歳での自立とは何かについてディスカッションしていく中で、様々な観点から自立について考えることができました。いつも自分が考えたことない視点からの意見もあって、視野が広がったなと感じました。また、講演会を聞いてこれから時間を大切に生きていこうと思いました。」

 

●エンデバープログラム参加者(高校生)

「エンデバーとして初のサミットは、前回とまた違う成長を感じることができました。
前回は緊張から発言できなかったり、積極的に交流できなかったという苦い思い出もありました。
けれど、今回は副リーダーとして班全体に気配りしつつ、自分の意見をしっかり出すことができました。
積極的にサミット生に声をかけ、新たに友人を作ることもできました。
1年前の自分より、確実に成長を感じました。

 

「ビヨンドでの活動、特にサミットで得られる最も大きなものは、提言作りもスピーカーセッションもあるなかでやはり新しい人と繋がれることだと思っています。私たちには逆境を経験しいたと言う共通点はありますが、生まれや育ち、逆境の中の状況や思いなどは全く違います。毎回ビヨンドで新しく関わった人を知るたびに、学校で30人友達を作ることとビヨンドで30人作ることは全然違うと感じられ、やはりそれは志高く集まってきた参加者ということが大きいのでは無いかなと思います。班のサミット生から何度も言われたことですが、ここにいる人はみんながみんな真面目に取り組むし自分の深い考え・意見を持っているし、刺激がすごいと本当に思います。(中略)今回のサミットでの出会い、人との繋がりも、これから簡単にみんなと会えなかったとしてもまた私の原動力になってくれると確信しています。」

 

●スカラーシップ・プログラム参加生(大学生)

「今回、リーダーとして班のメンバーを引っ張るという役割を担いました。しかし、議論の進行のペースが早く、班員が付いていけてなかったことなどを他のスカラー生から間接的に聞きました。
自分では気づかないうちに、メンバーをディスカッションから置き去りにしてしまっていたことをとても悔しく感じました。
今後はこの悔しさを糧に、どんな場面でも相手の立場や気持ちを想像しながら、一人ひとりを大切にできるリーダーを目指していきたいです。」

 

人と人とのつながりがどんなに大切で、活力になるかを再認識できました。今後の人生において、人と関わることに臆せず、グローバルに人とつながりたいと思えました。」

 

 

3日間のプログラムは、参加学生たちが自分と、社会と、徹底的に向き合うことのできた、濃密な時間となりました。

今回のプログラムも、多くの方々にご協力いただきました。この場を借りて、すべての皆様に感謝申し上げます。

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