公益財団法人教育支援グローバル基金|ビヨンドトゥモロー

子ども家庭庁若手職員との意見交換会を実施しました

812日、ビヨンドトゥモローは、子ども家庭庁の若手職員の皆様と、当団体のプログラムに参加経験のある学生との意見交換会を実施しました。

本会は、困難を経験してきた若者たちのリアルな声に耳を傾けることで、制度や現場の支援のあり方を考えることを目的として開催されたものです。日本全国から集まったビヨンド生が子ども家庭庁を訪問したほか、オンラインからの参加もあり、ハイブリッドでの開催となりました。

参加した学生は、児童養護施設や里親家庭で育った若者、また、ひとり親家庭や虐待を経験した若者など、さまざまな背景を持っています。それぞれが、自らの体験を踏まえて「社会的養護を出た後の自立の壁」や、「孤立する若者にとっての居場所の必要性」といったテーマに分かれ、職員の皆様と率直に議論しました。

意見交換の中では、「地域による情報格差で選択肢が狭められた」といった声や、「施設や里親の環境から大学に進学できたのは、信頼できる大人に出会えたから」といった本音が語られました。また、「第三の居場所を地域につくり、孤立する子どもたちに情報やサポートを届けたい」、「社会的養護の自立のために経済的支援だけでなく精神的支援も拡充してほしい」「地域で同じ社会的養護にいる子どもたちが交流できる機会を作ってほしい」といった提案も学生から挙げられました。

子ども家庭庁の若手職員の皆様は、真摯に耳を傾けながら、官民協働の取り組みや、制度の限界と改善の可能性について率直に意見を交わしてくださいました。学生からは「自身の困難を述べるだけでなく、解決策を共に考えたい」という想いが伝えられ、互いに学び合う対話の場となりました。

本意見交換会は、実は学生自身の発案で企画されたものです。「自分たちの経験を未来の政策につなげたい」という若者の主体性が形となり、行政の現場で働く職員と直接対話する貴重な機会が実現しました。

対話を終えた学生からは「自分たちの声が社会を動かす一歩になると感じた」「現場で働く職員の方々の葛藤も知ることができ、沢山の学びがあった」という感想が寄せられました。子ども家庭庁の皆様からも「若者の声を聴く貴重な機会になった」との言葉をいただき、互いの理解が深まる有意義な時間となりました。

ビヨンドトゥモローは、これからも困難を経験した若者たちが、自らの声を社会に届け、未来をより良いものへと変えていく力を発揮できるような機会を創り続けてまいります。今回のような意見交換をきっかけに、行政と市民、そして若者自身が共に学び合い、子ども・若者支援の輪が広がっていくことを願っています。

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