ビヨンドトゥモロー米国サマープログラム2014

~アメリカで学ぶ、ソーシャルイノベーション~

概要

一般財団法人教育支援グローバル基金は、2014年夏に、「ビヨンドトゥモロー夏季グローバル研修 米国サマープログラム2014」を開催しました。本プログラムでは、東北出身で、東日本大震災という困難を乗り越え、広く世界に活躍するリーダーとなる志を持つ学生8名を選抜し、ニューヨーク及びボストンに派遣。創造的な発想により社会をより良いものにするための活動を牽引する人物、団体を訪問しました。学生たちは、アメリカでの体験を通し、自らの手で社会を変革に導くリーダーとして活躍するビジョンを具体的に描き、将来のキャリアについてより大局的に考えることが期待されています。

日時

7月12日(土)~13日(日) 事前研修 8月1日(金)~8月10日(日) 米国プログラム

テーマ

テーマ社会をより良いものにするための「創造的思考」「デザイン思考」について理解を深め、日本や東北に活かすことのできる事例を学ぶ。また、現地の人々との交流を通して異文化を経験し、東日本大震災や東北復興の状況について発信することで、東北発のアンバサダーとしての役割を果たす。

参加者

東日本大震災の時点で、岩手・宮城・福島のいずれかの県に居住していた高校生・大学生で、震災を乗り越えて、グローバルな活躍をするリーダーになることを志す高校生・大学生7名。書類選考によって選抜されました。
鎌田 葉月(かまだ はづき) 神奈川県立横浜清陵総合高等学校 3年 津波により自宅が全壊し流失。祖父が行方不明となる。原発事故により、福島県南相馬市の自宅付近が警戒区域となったため、祖父の捜索が出来ないまま避難。現在は横浜市に避難中。地元福島の風評被害に心を痛めており、福島の故郷の美しさを世界の人々に伝えたいと考えている。昨年度の米国プログラムを通じて、様々な人と触れ合い、自身の将来の可能性に広がりを感じ、将来は保育士になりたいという夢を持つようになる。
高橋 奈々美(たかはし ななみ) St. George’s School in Switzerland ビヨンドトゥモロー高校留学プログラムでスイスに留学。震災で、いつもの日常がもろくも崩れていく瞬間を目の当たりにし、絶望で明日を生きる気力すらなくなったこともあったが、震災がそれまで気づかなかった大切なことも教えてくれたと感じている。震災後、被災地代表としてベラルーシ共和国ミンスク市で市長や現地高校生に震災について伝えるという活動を行った。今後はメディアから伝えられる情報だけではなく、震災時に受けた支援や応援に対する感謝を自分から発信したいと考えている。
蜷川 遼(になかわ りょう) 福島県立郡山高等学校 3年 震災により自宅が半壊となる。故郷である福島は原発問題で揺れており、県民の不安が払しょくされていない現状を世界の人々に伝えたいと思っている。また、今後この問題を解決するためにも米国の人々がどのような考えや意見を持っているのかを知ったうえで、自分には何ができるかを考えたいと思っている。昨年度の渡米した経験から、海外への留学も視野に入れた進路を模索中。将来は国連職員となり、安全で安定なエネルギーを世界に供給できるよう尽力していきたいと考えている。
高橋 朱憂(たかはし しゅゆ) 岩手県立大船渡高等学校 2年 自宅、そして自営業の店と工場が全て流されて全壊となる。その後、仮設商店街で実家の商売を再開。震災直後は賑わったものの、今は客足が途絶えてしまっている状況や、求人と求職者のバランスが崩れて復興が先延ばしになっているという危機感があり、今の東北を世界の人々に伝えたいと思っている。今回のプログラムでは、社会の先頭に立ち、新しい世界を切り開いている米国のリーダーの方々の考え、世界的視野を学びたいと思っている。
小野 禎典(おの よしふみ) 宮城県仙台第一高等学校 3年 震災の経験から、「災害被害の減少・防災」を世界的な教育、生きるための教育として次世代に伝えていくことが夢。将来の夢のためにも、世界各国・地域の災害、それに対する意識を自分の目で見て、肌で感じて学びたいと思い、今回のプログラムに参加。震災後、復興に向けて、語り部として活躍している同年代の若者たちの様子を伝え、また自身でも世界の人々に東北の今を伝えて、「忘れないでほしい」というメッセージを届けたいと思っている。
遊佐 紀子(ゆさ のりこ) 昭和女子大学 生活科学部(岩手県立宮古高等学校卒業) 津波により、母のような存在であった祖母と家を失う。将来は、デザイナーになり、人の生活をよりよいものにしていくことが夢。震災の経験を活かし、災害時に身体的に障害を持っている人が行動しやすい環境をデザインによって作り出すことを可能にしたいと考えている。世界の人から必要とされるデザイナーになるのが目標で、大学ではデザインを専攻。また自身の震災体験を伝えることで、一人でも多くの人の災害に対する意識を変えたいと考えており、震災の記憶を世の中の方達や次世代に伝えることが自身の使命だと感じている。東京の大学に進学し、より一層、生まれ育った東北の素晴らしさを感じている。
遠藤 見倫(えんどう みのり)【松本大特別奨学生】 石巻専修大学 経営学部(宮城県石巻北高等学校卒業) 震災で父と家を亡くし絶望の淵におかれる思いをしながらも、震災のことを多くの人に知ってもらいたいと、写真部の部長として活動した経験を活かして、被災地における津波の爪痕を写真に残しメディアを通して発信したという経験を持つ。震災を経験した者として、被災地の「今」を発信していきたいという意欲を持ち、生きている瞬間を心に刻み続けられるような活動をしていきたいと考えている。2014年2月からは、ビヨンドトゥモローにインターン生としても参加。ビヨンドトゥモローを影で支える役割を果たしている。米国プログラムには、2012年から3年継続して参加。
千葉 真英(ちば まさひで) 慶應義塾大学 総合政策学部(岩手県立大船渡高等学校卒業) 大船渡にて被災。津波によって母親と祖母を亡くし、家も流された。多くの命が犠牲になった中で自分は助かったという経験から、将来は地元の復興と、自然災害に備えた街づくりに貢献することが生き残った者の使命であると考えている。様々な出会いや体験を通し、もともと志した建設工学ではなく、人づくりというアプローチで東北を復興させたいと考え、13年9月に現在の学校に入学。2012年、2013年とビヨンドトゥモロー夏季グローバル研修に参加し、米国を訪問した。地域活性に携わる事務所でのインターンシップなど、活動の幅を広げ、自分の夢に向かって邁進している。

プログラム

事前研修

事前研修 スケジュール

場所:柏木平レイクリゾート
7月12日(土)
プログラム
午前 集合・オリエンテーション
午後 昼食 ワークショップ① 英語での自己紹介 ワークショップ② プレゼンテーション作成「世界に届けたい、東北の今」 ワークショップ③ プレゼンテーション作成「世界に届けたい、東北の今(英語版)」プレゼンテーション発表
バーベキュー ビヨンドトゥモローナイト
7月13日(日)
プログラム
午前 朝食・ネイチャーウオーク ダイアローグセッション「秋に見たい、自分の姿」 派遣先オリエンテーション昨年参加学生による、欧州での学び
午後 昼食 ワークショップ④ チームチャーター作成 プレゼンテーション発表解散
米国でのプログラムに先立ち、参加学生たちは1泊2日で事前研修に参加しました。事前研修で学生たちは、東北出身の自分たちが米国に訪問する意義を改めて考え、米国での研修を通してどのようなことを学びたいか、また、東北からのアンバサダーとして自分たちは米国の人々に何を伝えたいかを考えました。ディスカッションなどを通してチームごとにまとめ、最後に英語でプレゼンテーションを発表しました。

米国プログラム

米国サマープログラム スケジュール

日程 都市 内容
8月1日(金) 東京からニューヨークへ 到着、宿泊先へ (NY泊)
8月2日(土) NY 市内観光 (NY泊)
8月3日(日) NY (午前)リフレクション (午後)リーダーとの対話(白井敬祐氏、西川悟平氏、Yutaka Takiura氏) (夜)プレゼンテーション準備 (NY泊)
8月4日(月) NY (午前)WTCトリビュート・センター訪問&ランチ (午後)リーダーとの対話(宮崎勉氏) ディスカッションセッション:Echoing Green (夜)ニューヨーク日系人会での夕食会 (NY泊)
8月5日(火) NY (午前)Center for Social Innovation NYC訪問 (午後)北米伊藤園訪問 (夜)Stephen Globus氏による夕食会 (NY泊)
8月6日(水) NY⇒ボストン (午前)移動 (午後)ハーバード大学キャンパスツアー・授業でのプレゼンテーション (夜)ハーバード大学の学生たちとの夕食 (ボストン泊)
8月7日(木) ボストン (午前)ボーイズ・アンド・ガールズ・クラブ・オブ・ボストンとの交流 (午後)マサチューセッツ州立大学でのプレゼンテーション (夜)クインシーマーケット散策・夕食 (ボストン泊)
8月8日(金) ボストン (昼)Reischauer Houseでの閉会式(共催:米日カウンシル、ジャパン・ソサエティー・オブ・ボストン) (夕方)市内散策 (夜)リフレクション (ボストン泊)
8月9日(土) 日本に向けて出発 (機内泊)
8月10日(日) 東京に到着

創造的思考とイノベーション

世界のイノベーションの中心である米国において「イノベーション」がどのように社会の発展に貢献しているか、またどのような環境において「ソーシャル・イノベーション」が育まれるのか、その秘訣を探るべく様々な団体や個人を訪問し、最終日にその学びをリーダーたちの前で発表しました。
起業家たちにシェアオフィスを提供するCenter for Social Innovationを訪問。
若手の起業家にフェローシップを通して、新しいビジネスを始める支援をするEchoing Greenとのセッション。
米国在住の建築デザイナー宮崎勉氏から、どのように人々が夢を追求し、実写化維持インパクトをもたらすことに繋がるかを学ぶ。
Reischauer Houseにて、米日カウンシル、ジャパン・ソサエティー・オブ・ボストンとの共催で閉会式を開催。日米関係におけるボストンのリーダーたちの前でプログラムの成果をプレゼンテーションと劇で発表した。

リーダーとの対話

米国を中心に世界で活躍されている日本人のリーダーから、国際的に活躍することの面白さと難しさを伺い、国際的なキャリアを考える機会を提供しました。また、現地の同世代の若者と交流し、将来の日米の架け橋となるリーダーとしての決意を新たにしました。
ニューヨークで活躍するリーダーたちとの対話セッション
ニューヨーク在住の日本人リーダーたちとのメンターディナー
北米伊藤園を訪問し、日本文化を、ビジネスを通して世界に広める挑戦を続ける社員の方々との対話セッションを実施。
ボーイズ・アンド・ガールズ・クラブ・オブ・ボストンの若者と交流。同クラブとは、日本と米国で3年間交流を続けている。

東北の現状を発信

震災から3年が経つ東北の現状を、米国の人々に伝える機会を提供しました。
ニューヨーク日系人会によるレセプションにて、東北に思いを馳せてくれる日系アメリカ人の方々に東北の現状を発信。
9/11 Tribute Centerを訪問し、米国同時多発テロ事件の遺族の方々と交流し、悲劇を継承する意義について対話。同センターとは、2012年から毎年交流を続けている。
ハーバード大学で日本語を勉強する学生たちが参加する授業でのプレゼンテーション。
マサチューセッツ州立大学ボストン校で東アジア研究をする学生たちの前で東北の現状を発信。現地の学生たちからは、東日本大震災を通して感じた日本人の考え方について質問を受けた。

支援企業・団体

 米日財団