公益財団法人教育支援グローバル基金|ビヨンドトゥモロー

クロージングプログラム2022開催報告

〜共感力のあるリーダーであるために私達が大切にすること〜

 

概要

318()、ビヨンドトゥモロー 2022年度奨学生を対象に「クロージングプログラム」をオンライン開催しました。ビヨンドトゥモローでは様々なバックグラウンドを持つ若者が出会い、共に学ぶ時間の中で共感力を育み、社会に羽ばたく過程を応援しています。今年度もコロナ禍に柔軟に対応しながら国内・国外(米国)を開催地とした4回の対面プログラムを実施することができました。クロージングプログラムでは、ジャパン未来スカラーシップ・プログラム(高卒進学者奨学生)、エンデバー(高校生奨学生)が集まりました。「共感力あるリーダーであるために私たちが大切にすること」のテーマについて、この一年の経験を踏まえてディスカッションしました。

 

プログラムハイライト スピーカーセッション

Children’s Home Society of Idaho事務総長 アンセルム サディキ氏

Children’s Home Society of Idahoを1908年に設立。福祉やウェルビーイングを後押しすることをミッションとし、適応障害やうつ病、ADHD など精神面で問題を抱えている子どもとその家族へのサポートをしている。

講和内容 アンセルム氏の人生について

コンゴ共和国に生まれ、当時の大統領による学生粛正運動に居合わせるも、生き延びる。その後二か月に渡ってコンゴ共和国からケニアに渡り、難民保護下で過ごす。生きる希望を失うもアメリカに渡り、コロンビア大学修士課程を修了。なぜ諦めなかったかを考えた時、「いつも故郷で殺されたクラスメイトを思い出し、他の人の命のために自分はどう生きるのかを考え続けた結果、闘い続ける道に立っている」と語る。

ビヨンドトゥモローへメッセージ

みなさんの人生も、私の人生と大きな違いはないという事を分かってほしいと思います。困難を抱えながらもビヨンドトゥモローの支援などにより学業に打ち込み、活躍しています。世の中全てが繋がっているということを意識し、将来の為に活動してほしいです。多様性が活きる社会のために、皆さんや皆さんの経験こそが重要なのです。

プログラムハイライト ディスカッション

私たちの宣言〜共感力あるリーダーであるために私たちが大切にすること〜

今年度の活動を映像と資料で振り返った後、小グループを編成してビヨンドトゥモローの活動で培った「共感力」を卒業後に活かす為に大切にしていくことを考えました。選考に応募した時期から、自らの過去に向き合い、どのように未来を描き、自らの手で変えていける事は何かを考え続けた1年。その中で自分たちがどのように価値観を共有し、意識を高め合いながら過ごしてきたのか、自らの内面の変化を丁寧に思い出しながら取り組みました。最後には将来に渡ってこの1年が活きるように「宣言」の形にまとめ、発表しました。

学生の宣言

・「4つの柱」を持つ

個性を活かす力、長期的な共感力、想像的な共感力、寄り添う力、を持つ。

・真の対話を大切にする

全員が安心感を得るために、相手の気持ちにも共感し、自分の意見も伝える。

・リーダーは一人ではできない!ーだから頼るー

お互いに頼る、頼られる経験によってお互いを尊重することで自らのリーダー的資質に気づき、力を育んでいく。

・3つの目を大切にする

自分の目、相手の目、鷹の目を大切にすることで、一つの視点に縛られることなく俯瞰する姿勢を持つ。

・相手をリスペクトするリーダー

日常での態度・姿勢のなかで相手をリスペクトする。

学生の感想

小日向さん

「皆がいるからこそのリーダー」という言葉にハッとさせられました。その人が活躍するためには、その後ろにいる仲間たちに常に感謝していかなくてはならない、そして、自分と向き合い、時には頼るということが共感力あるリーダーとして重要だと感じました。自分という存在に制限をかけず、常に進化していく人でありたいと思います。

佐藤さん

共感力のあるリーダーはどんなものか話し合った時、理解と共感は違うし人の感性は違うから、私は全てを分かった気にならない事が必要だということを話しました。それについて肯定だけでなく、質問や疑問を話してくれていたのが、正しく理解してそれに対して真剣に向き合ってくれていると感じました。私は説明が得意ではないので、他の班の人が言っていた弱いところを支え合うというのはこう言った事を言うんだろうと思いました。

向井さん

これからの大学生活や社会での経験にすごく大事になるものだと思うので、いろんな意見を聞くことができてよかったです。共感していることを表現するのもとても難しいと改めて実感しました。素直に人に伝えられる人でありたいと感じました。

加藤さん

他の班の発表を聞いて、何かしら自分たちの経験で”こう思ったからこうしたい”と自分の経験を噛み砕いて咀嚼して発想を得ていたことがとても良いなと思いました。その咀嚼して生まれたものが違う人、違う班の咀嚼して生まれたものとコラボすると更に違う力を発揮するのかもしれないなと思いました。

学生のプライバシー保護のため、氏名は全て仮名にしています。

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