一般財団法人教育支援グローバル基金|ビヨンドトゥモロー

ビヨンドトゥモロー米国サマープログラム2015

~東北から、日米の懸け橋となる人材を~

映像

概要

一般財団法人教育支援グローバル基金は、2015年夏に「ビヨンドトゥモロー夏季グローバル研修 米国サマープログラム2015」を開催しました。本プログラムでは、東北出身で、東日本大震災という困難を乗り越え、広く世界に活躍するリーダーとなる志を持つ学生たちがニューヨーク及びボストンを訪問し、米国の歴史や文化、社会について学びました。また、ボストンやニューヨークで活躍するリーダーたちとの交流を通し、東北の今を米国の人々に伝えるアンバサダーとしての役割も果たすことができました。本事業は、日米両国の架け橋として活躍された故村瀬二郎氏のご遺志を継ぎ、日米交流の担い手となる若者がアメリカの空気に触れ、多くのアメリカ人に出会い、米国社会について学ぶことを目的とした「村瀬二郎記念奨学事業」として、米日財団及び村瀬家の方々からのご寄附を含むジャパン・ソサエティー村瀬二郎記念基金のご支援により開催しました。

日時

8月4日~5日 事前研修 (東京)
8月5日~8月14日 米国プログラム(ボストン・ニューヨーク)

参加者

東北出身の大学生・高校生8名

伊藤恵
福島県立福島高等学校
高校卒業後、日本で医学部に進学し、その後、アメリカの大学院に進学し、国際的に活躍する医師になることが夢。ワクチンの開発など、発展途上国のエイズ対策に関わり、HIVの研究やエイズの啓発活動を行いたい。米国サマープログラムでは、社会をより良い場にするために活動している人々に出会い、国際的に活動するためのヒントを得たいと思っている。
稲村ほのか
宮城学院高等学校
東日本大震災で家を失う。震災後、ボリビアに一年間留学し、震災の体験について海外で伝えてきた経験を活かし、米国サマープログラムでは、沿岸地域の復興に時間がかかる中、世界中の人々の助けがあって、被災地の人々は希望を持って前向きに頑張ることができていると、感謝の気持ちを伝えたい。将来は、日本語、英語、スペイン語をはじめ、多くの言語や文化を学び、日本の良さを世界に発信していきたい。
及川奈津子
岩手県立高田高等学校
東日本大震災で家を失った。地域における仮設住宅の問題の解決において、地域と行政の連携が必ずしもうまくいっていないと考え、そのような状況を世界に伝えたい。高校卒業後は、大学に進学し、異文化コミュニケーションを学び、留学もしたいと考えている。今回の米国サマープログラムで学んだことを、将来、故郷の復興に貢献する上での糧にしたい。
甲斐慎之助
福島県立会津高等学校
将来、貧困や戦争によって苦しむ子供たちのために働くことが夢。夢の実現のために、将来はアメリカの大学に留学し、多くの人と出会い、価値観を共有し、エンジニアとしての技術を学びたい。そして、子供たちの個性や力を活かすことのできる仕事をしたいと考えている。米国サマープログラムでは、人々と意見を交換し、知識ではなく知恵を得たいと考えている。
齋藤佳介
宮城県石巻工業高等学校
東日本大震災の後、避難の長期化によりストレスを抱えている人も多く、継続的な被災者支援のために、若者たちの力の必要性を感じている。将来は、困っている人や、弱い立場に立たされている人達を法律という視点から助けたいと考え、弁護士など法に関わる職を志している。米国サマープログラムに参加することで、視野を広げ、多様な考え方や柔軟な発想力を身に着けたい。
佐久間睦
山形県立米沢東高等学校
東日本大震災後、福島県から山形県に避難。震災後、避難先で心細い想いをしている時に初めてビヨンドトゥモローに参加し、それまで親にも友人にも言えなかったことを話すことができた。今回、初めてとなる海外では、色々な刺激を受け、自分の将来のビジョンを明確にしたい。そして、自分のように、放射能の恐怖のために故郷に帰ることができない人々がいるということを、世界に伝えたいと思う。
澤田 万尋(ビヨンドトゥモロー/三菱重工業特別奨学生)
早稲田大学基幹理工学部(宮城県仙台第二高等学校卒業)
震災直後に訪れた石巻の壊滅的な状況に衝撃を受ける。一日一日が尊いもので、自分は生かされていると感じ、ならば自分には何ができるのかと考えたことが将来を考える上での原点となった。高校在学中にビヨンドトゥモローの海外研修で欧州を訪問し、世界中から知力と技術を集結させ、開発に挑む航空業界に大きな魅力を感じた。将来は、機体開発に携わり、災害時に孤立した遠隔地域に支援を届けられるような無人機の開発など、航空業界においてイノベーションを起こしたいと考えている。
藤井 理子(ビヨンドトゥモロー/佐藤輝英特別奨学生)
早稲田大学政治経済学部(岩手県盛岡第一高等学校卒業)
震災により祖父を亡くし、思い出の土地や人とのつながりが奪われる経験をする。震災後、マレーシアに長期留学した経験から、震災から学んだことだけでなく、東南アジアで学んだことを、ビヨンドトゥモローの仲間と共有し、活動に貢献していきたいと考えている。将来、岩手県で県議会議員となり、弱い立場にある県民の声を反映させた政治を行うという夢にむかって、大学では地域活性を中心に、政治学を学んでいる。

プログラム

事前研修

渡米に先立ち、参加学生たちは1泊2日で事前研修に参加しました。事前研修で学生たちは、東北出身の自分たちが米国に訪問する意義を改めて考え、また、ご支援いただいているサポーターたちから励ましの言葉をいただき、気持ち新たに米国訪問に臨むこととなりました。

明石康 元国連事務次長・公益財団法人国際文化会館理事長及び、阿川尚之 慶應義塾大学教授との壮行セッション

橋本大二郎 元高知県知事・一般財団法人教育支援グローバル基金理事による壮行メッセージ

渡米前に、総理公邸で安倍昭恵首相夫人と懇談

渡米前に、総理公邸で安倍昭恵首相夫人と懇談

米国プログラム

10日間にわたる米国滞在中、参加学生たちはボストンとニューヨークを訪問し、当地で活躍するリーダーたちとの交流を通し、自らの手で社会を変革に導くリーダーとして活躍するビジョンを具体的に描き、将来のキャリアについてより大局的に考えることとなりました。また、東北の今を米国の人々に伝えるアンバサダーとしての役割も果たす機会を得ることができました。

ボストン滞在

マサチューセッツ州立大学ボストン校にて、東日本大震災とその後の復興状況について、プレゼンテーション

ボストンにて、キャンプ・ハーバー・ビュー訪問、現地学生たちとの文化交流

ニューヨーク滞在

ヤンキースタジアムでの野球観戦

JETプログラムOB/OG会とのセントラルパークでのピクニック

NYの国際機関で働く日本人プロフェッショナルたちと、グローバルなキャリアについて意見交換

9/11トリビュートセンター訪問、米国同時多発テロの犠牲者の遺族・友人たちとの交流

Valerie Rainford氏による自伝セッション

日本クラブでの閉会式にて、米国での学びをプレゼンテーション

参加学生コメント

私は、将来、世界で活躍する医師になり、HIVの研究を行いたいと思っています。NYでのプログラムを通して、その分野で活躍する女性と出会う機会があり、その後も連絡をとっています。アメリカで大学院に行き、HIV領域に関わるプロセスが明確になり、選択肢も増えました。グローバルヘルスの観点から日米関係を見直し、医療の面で両国が協力して国際社会に貢献できるよう、日米の懸け橋になりたいと思います。

伊藤恵(福島県立福島高等学校)

 

 

9/11トリビュートセンターで、3/11と9/11の体験や情報を共有したことが最も印象に残りました。自分が9/11について無知であったことにショックを受けると共に、被害者の方、救助にあたった方のお話をきいて、苦しい辛い体験をした時は、他者との体験共有が大事だと強く感じました。これからも、自分ができる「体験を伝える」ということを大切にしていきたいと思います。将来は、英語を学び、アメリカに留学することが夢です。

稲村ほのか(宮城学院高等学校)

支援企業・団体


米日財団


ジャパン・ソサエティー村瀬二郎記念基金

協力

日本国際交流センター(JCIE)

マサチューセッツ工科大学(MIT)ジャパンプログラム

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