ビヨンドトゥモロー 米国サマープログラム2017

動画

概要

米国サマープログラム2017では、日本全国から、広く世界に活躍するリーダーとなる志を持ちながらも、グローバルな経験を積む機会が限られている環境にある学生15名を選抜し、ワシントンDC・ニューヨークを訪問しました。現地では、社会をより良い場にすべく活動する団体・個人を訪問し、米国における社会変革のあり方について学ぶとともに、現地の方々との交流を通じて、日本の今を米国の方々に伝えるアンバサダーとしての役割も果たしました。

本事業は、日米両国の架け橋として活躍された故村瀬二郎氏のご遺志を継ぎ、日米交流の担い手となる若者がアメリカの空気に触れ、多くのアメリカ人に出会い、米国社会について学ぶことを目的とした「村瀬二郎記念奨学事業」として、米日財団及び村瀬家の方々からのご寄附を含むジャパン・ソサエティー村瀬二郎記念基金のご支援により開催されました。

日時

8月7日 事前研修(東京)
8月8日~8月18日 米国プログラム(ワシントンDC・ニューヨーク)

参加者

ジャパン未来スカラーシップ・プログラム2017に在籍している15名

青木 里紗
青山学院女子短期大学現代教養学部(神奈川県立横浜国際高等学校卒業)
高校3年生の夏、母が自殺。母の死は何よりも辛い経験だったが、今後、その経験を通し、自分自身だけでなく誰かのことを少しでも救いたいと考え、ビヨンドトゥモローに応募することを決意した。プログラムを通じて様々な人たちと出会う中で、自分の経験を隠すことなく共有し、母と過ごした時間や母の死が教えてくれたたくさんのことを、人生の中で活かしていきたい。外国の文化や外交問題に関心があり、タイやマレーシアを訪問し、経済格差や環境問題について学んだ経験から、発展途上国の問題に興味を持つ。将来は、地球規模課題はもちろんのこと、個人個人の悩みの解決につながる手助けをできる人になりたい。
安倍 有紀
日本大学法学部(日本大学東北高等学校卒業)
東日本大震災後、原発の危険から、家族全員で避難した先で父を亡くし、喪失感の中に高校時代を過ごした。ビヨンドトゥモローの活動に参加したばかりの頃は、周囲が自分より意識が高いように思え、泣いて過ごすばかりだったが、活動の中で初めて自らの被災体験を話し「自分にもできる」と自信がついた。今後は、自分がそうしてもらったように、ビヨンドトゥモローに新しく入ってくる仲間の背中を支えられる、木の根のような存在になりたいと思う。そして、社会にでて、誰かを喜ばせることのできる存在になりたい。
新 沙耶花
立命館大学政策科学部(大阪学芸高等学校卒業)
幼少期に母と死別、小学生の時から児童養護施設に暮らす。中学生の時に、大学進学を決意し、それ以来、寝る間も惜しんで勉強に打ち込み、努力を続けてきた。頑張ることで、自分のことが少しずつ見えてくると、周りの人たちのことも考えられるようになったと思う。ニュースで貧しい人の映像が流れると心が痛み、少しでも人の役に立ちたいと考えるようになり、将来は、海外の人とつながることのできる仕事に就くことが夢。大学生活を通して、海外ボランティアに参加し、自分の目標を具体的に定めていきたいと願っている。
稲村 ほのか
上智大学外国語学部(宮城学院高等学校卒業)
東日本大震災で自宅を失う。学校には被災した人が少なく、自分に帰る家がないことがつらくて、自分だけが取り残されているような気持ちがした。家、思い出、ふるさとをなくしたが、一方で、それをきっかけに出会った仲間、強さ、勇気、弱者を思う心など、失ったものより多くのものを得ることができたと感じている。高校時代、ボリビアに1年間留学し、貧困の現状を目の当たりにし、大きな衝撃を受けた。帰国後に参加したビヨンドトゥモローの活動でニューヨークに行ったことをきっかけに、貧困問題にとりくむことを決意。今後も、出会いと体験を大切にしながら、夢にむかって努力していきたいと考えている。
請田 愛伽
香川短期大学子ども学科(香川県立善通寺第一高等学校卒業)
小学生2年生の時に、それまで暮らした児童養護施設を離れ、里親家庭に行くことを決意した。その決断が後にすばらしい出会いをもたらし、自分の人生に影響を与えるものになったと思う。大学進学に際して、経済的な事情から選択肢が限られることに辛さを感じたが、わからない未来のことをくよくよと考えるのではなく、夢を叶えるための努力を一生懸命にしようと考え、大学進学をめざすことを決意。将来は、これまで自分が多くのことに苦しみ、支えてもらった経験を活かして教師になり、学校教育を通して子どもたちの人間性を高める手助けをしたい。
菅野 渉
静岡理工科大学理工学部(加藤学園高等学校卒業)
生後間もなく乳児院に入り、その後、児童養護施設に入所した。なぜ自分は両親と生活できないのかと自問自答した日々もあったが、いつも優しく、時には厳しく接してくれる施設の職員の方々への感謝の気持ちがあるからこそ、自分が頑張ることができるということに気づくことができた。費用面の難しさから、大学進学をあきらめかけたこともあったが、支えてくれた方々への恩返しのためにも、将来、災害時に活躍する救助ロボットの設計や製作に携わるという夢を追うべく、大学進学を決意。今回、ビヨンドトゥモローに参加することで、新しい発見や出会いを経験し、自分の視野を広げることを期待している。
佐々木 琉希
東北学院大学教養学部(岩手県立大船渡高等学校卒業)
東日本大震災で父と祖父母を亡くし、自宅も流失。大切な友人も津波で亡くし、多くのものを失った。しかし、残された自分にできることは、亡くなった人の分まで精一杯生きることだと考え、震災前から取り組んでいた野球を震災後も継続し、全国大会にも出場を果たした。将来は、防災に関する仕事に就き、自分が震災で経験したこと、そして防災の大切さを伝えていきたいと考えている。ビヨンドトゥモローに参加することで、多くの人コミュニケーションをはかり、自らの視野を広げ、そして自分の故郷の復興にむけて、日本全国の人の意見をきくことを期待している。
鈴木 博文
中央医療技術専門学校診療放射線学科(東京都立富士高等学校卒業)
家庭の事情で高校2年次に児童養護施設に入所。辛い体験だったが、この経験があってこそ、自分にとっての家族の存在の大きさや人の大切さを知ることになったことを誇りに思っている。様々な経験を通じて医療への憧れを持ち、診療放射線技師になることを志し進学を決意。高校3年で初めてビヨンドトゥモローの活動に参加し、大きな刺激を受け、自分のもっと世界を見たい、行動したいと思うようになった。叶えたいこと、やりたいことがたくさんある中、実現に向けて、仲間と共に歩み、努力していきたい。
谷 果純
岡山理科大学理学部(徳島市立高等学校卒業)
幼少期に両親が離婚、祖母と暮らしてきた。家庭内の様々な問題から、自分の置かれた状況に文句を言っていたこともあったが、高校1年の時、周りを変えることは難しいけれど、自分自身は変えることができることに気づき、強く優しい自分になり、物事を前向きに考えることを決意した。将来は、高校教師になり、人と関わり、人を助ける仕事をすることが夢。ビヨンドトゥモローの活動を通して、視野を広げ、多くを知り、積極的に意見交換に参加し、夢の実現のために必要な力を身につけたいと考えている。特技は阿波踊り。
町中 大悟
東北学院大学法学部(岩手県立黒沢尻北高等学校卒業)
小学生の時に母を、中学生の時に妹を亡くす。それは人生の中で最もつらい出来事だったが、いつか二人に会った時に、自分の人生を誇らしく語れるような恥じない人生を歩むため、そして、たった13年しか生きることができなかった妹の分まで生きるため、後ろは振り返らずに前を見て歩んでいこうと考えている。将来は、地方公務員として、自分が地元の花巻市に助けてもらっているように、市民をサポートできるようになりたい。ビヨンドトゥモローの活動に参加することには不安もあるが、そんな不安に打ち勝ち、ビヨンドトゥモローが家だと思える様に、変わっていきたいと思う。
松藤 江巳吏
高知大学人文社会科学部(高知市立高知商業高等学校卒業)
高校時代、ラオスに学校を贈るというプロジェクトに参加し、ラオスと高知をつなぐ活動に取り組み、世界と日本の懸け橋となる仕事に就きたいと考えるようになった。母子家庭のため、経済的な事情で、進学や課外活動を諦めなければならないことも多かったが、自分で自分のチャンスをつぶすことをやめたい、家庭環境を言い訳にせずキラキラと輝ける人になりたいと、ビヨンドトゥモロー ジャパン未来スカラーシップ・プログラムへの応募を決意。今後、高知を基盤に、世界を視野に働く仕事に就くことを目標に、大学入学後にカナダへの短期留学を果たした。
宮良 耀一
宮崎大学農学部(熊本県立南稜高等学校卒業)
幼少期に両親が離婚、高校在学中に父が他界、祖父と暮らす。父の死の直後に参加したビヨンドトゥモローの活動で、同世代の仲間と話すことによって、亡き父への想いを原動力に変え、ただ悲しんでいた自分を変えることができたと思う。父と交わした最後の言葉となった、「夢を途中で諦めるのではなく、ちゃんと実現させろよ」という言葉に背中を押され、将来、農業の教員になることを志している。そして、世界規模で日本の農業を考えられるようになり、農業を通して日本を支える一人になりたい。
向笠 綾華
長崎純心大学人文学部(純心女子高等学校卒業)
中学生の時から児童養護施設に暮らし、高校在学中に母が他界。高校卒業を節目に児童養護施設を卒園して1人立ちするにあたり経済的な不安を取り除き、また、人材育成プログラムに参加し、他国の文化に触れ、広い視野で世界をみられるようになることを願い、ビヨンドトゥモローに応募を決意。将来は本に関わる仕事に就き、本の魅力を伝える仕事をすることが夢。大学生活では、地元長崎の知らない部分や、日本や世界の文化や歴史を勉強したいと考えている。
森瀬 さおり
青森中央短期大学幼児保育学科(青森県立青森高等学校卒業)
両親の離婚後、育ててくれていた母親と死別し、以降、幼い弟や妹たちと共に暮らしている。生活のため、英語教師になるという夢を諦めて地元に残ることを決意し、将来の目標を見失っていた時に初めてビヨンドトゥモローに参加。様々な境遇にある同世代の仲間たちが、悲しい体験を将来の夢のきっかけにしていることにとてつもない刺激を受け、自分も将来、聖母園を設立するという夢を抱いた。今後は、ビヨンドトゥモローという、自分に夢を与えてくれた場所で、自分自身が、他の人が夢をみつけてあげられるきっかけになりたいと考えている。
遊佐 紀子
多摩美術大学美術学部(岩手県立宮古高等学校卒業)
幼少期に母と死別。その悲しみの中で、母は目に見えない存在として自分を見守って応援してくれているから負けてはいけないと頑張ってきた。大学入学後、グラフィックデザイナーになるという夢のために、一年間通った大学を退学しての美大受験を決め、受験費用を捻出するために働きながら受験勉強に取り組んだ。将来は、温もり、愛情や美しさをまっすぐに伝え、人を幸せにできるデザイナーになりたい。そしてビヨンドトゥモローで出会う仲間たちと、お互いに前向きに生きていけるような関係を築いていきたい。

プログラム

事前研修

渡米に先立ち、参加学生たちは事前研修を行い、渡米にあたっての気持ちと向き合い、アメリカで学びたいことを整理したほか、バンクオブアメリカ・メリルリンチの写真の方々のご協力の下、英語でのプレゼンテーション準備を行いました。さらに、在日米国大使館を表敬訪問し、渡米前の抱負について英語で発表しました。

事前研修にて、バンクオブアメリカ・メリルリンチ社員の方々のボランティア協力による英語でのプレゼンテーション準備

在日米国大使館を訪問し、マルゴ・キャリントン広報・文化交流担当公使に渡米前の抱負を発表

米国プログラム

10日間にわたる米国滞在中、参加学生たちはワシントンDC、ニューヨークの2都市を訪問し、現地で活躍するリーダーたちとの交流を通じて、自らの手で社会変革を実現するリーダーとして活躍するモデルを学ぶとともに、「社会格差」や「多様性」など、米国における社会課題について理解を深め、米国での学びを今後どのように活かしていくかを考え、提言にまとめ、閉会式にて英語で発表しました。

ワシントンDC

2017年1月、アメリカに新しい政権が生まれました。世界の政治の中心であるワシントンDCでは、その中核を担うホワイトハウス、米国議会、外交問題評議会などを訪問し、アメリカ国内外の人々の声が国際・国内政治に反映される仕組みについて学びを深めました。また世界銀行では、世界の貧困撲滅のために活動する国際機関の役割や貧困撲滅実現のための課題について学びました。

ホワイトハウスを訪問

アメリカ連邦議会を訪問

外交問題評議会を訪問し、シニアフェローのシーラ・スミス氏による日米の外交問題についてのブリーフィング

世界銀行で働く松永秀樹さんとグローバルなキャリアについて意見交換

S&R Foundationを訪問し、設立者の久能祐子さんとの対話

トランプ大統領政権移行チームおいて政策担当ディレクターを務めたAdo Machidaさんからお話を伺う

ニューヨーク

ニューヨークでは、ボランティア活動を通して、アメリカ社会における貧困問題について考えたり、9.11同時多発テロの犠牲者の家族・友人との交流を行ったり、アメリカ人の家族と過ごす「ファミリー・デー」など、様々な体験の機会がありました。そして最終日には、日米関係に関わるリーダーたちの前で、アメリカでの学びの成果を発表しました。

「スープ・キッチン」にてホームレスの方々への炊き出しボランティア

ファミリー・デーはグループに分かれてアメリカ人ホストファミリーと交流

9/11トリビュートセンター訪問、米国同時多発テロの犠牲者の遺族・友人たちとの交流

自由の女神を訪問

ジャパン・ソサエティー理事長の櫻井本篤氏と意見交換

ジャパン・ソサエティーでの閉会式にて、プログラムを通して学んだアメリカの社会問題についてプレゼンテーション

参加学生コメント

語学もそうですが、9.11や宗教や世界の経済政策や移民問題など、アメリカが抱える問題は世界にも影響を与えているということを感じたので、そういった分野の勉強もしていきたいと思いました。私は将来、国際貢献に携わる仕事をしたいという想いを持っているので、そのためにもまずは英語を身に付けるために、1年間の留学をするという目標を持てました。

松藤江巳吏
(高知大学人文社会科学部)

 

ホストファミリーにアメリカの農業について話を聞く機会がありました。大規模な農業のなかでも、ゲージを無くして鶏を育てているなど健康面を考えた農業も徐々に普及しているなどの内容でした。私は安全かつ生産物を食べる人の健康を考えた農業に興味があるのでもっと知りたいと思いました。そして海外の様々な地域の農業を見て、それを日本に取り入れたいと考えるきっかけになりました。

宮良耀一
(宮崎大学農学部)

 

9.11トリビュートセンターで被害にあった方の当時のお話を聞いたことはとても衝撃で他人事だとは思えませんでした。それまではテレビで9.11同時多発テロについてよく聞いていてそのニュースについて関心はあったものの、どこか自分には関係のないと思っていました。しかし、9.11同時多発テロの被害にあった方の話を聞いたあと、それまで自分には関係ないと思いどこかで線引きをしていた自分を改めたいと思いました。

森瀬さおり
(青森中央短期大学幼児保育学科)

支援団体


米日財団